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更新日:2024年3月1日

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令和6年3月号「かごフォロ」

荒田で蜂蜜酒専門工場とハニーカフェを運営している一戸悠里(いちのへゆうり)さんにインタビューしました。

かごフォロ(令和6年3月1枚目)

父の急死~起業の原点~

しっかり者の兄に対し、私は親に縛られたくなく、わんぱくな少年で自由に生きたいと思っていましたね。元々父はバンドマンで生計を立てていましたが、引退後は自営業を営み、自分のやりたいことを自由気ままにやれていた父に憧れていました。

高等専門学校(高専)3年生のときに父が心筋梗塞で急死しました。若くで亡くなりましたが、やりたいことをたくさんできていたし後悔のない人生だったのではないかと思います。このことをきっかけに、自分も父のように自由にやりたいことをやって生きていこうと思い、何で起業するかは決めていませんでしたが、とにかく父の死が起業しようと思い始めた原点でしたね。

鹿児島市との出会い

高専卒業後、鹿児島大学工学部に編入しました。神奈川県出身ですが、母の地元が鹿児島市という縁もあり、幼いころから鹿児島にはよく遊びに来ていたし、何より鹿児島市が大好きでしたので鹿児島大学を選びました。小さい頃は特にじゃんぼ餅がお気に入りでしたね(笑)

ただ、鹿児島市には友人がいなかったので、まずはサークルに入ったりと友人づくりからでした(笑)

学生の熱量を高めるために始めたコーヒースタンド

学生時代、周りの学生が特別にやりたいわけではないけど、何となく学部に関連した就職活動をする方が多く、何かやりたい気持ちがあってそれに向かって突き進んでいる人がほとんどいないことが自分の中では悔しかったです。

そういった学生の熱量を高めるためには何をやればいいのか考えた結果、未来に対してワクワクしながら面白いことをしている大人が世の中には少しでもいますので、そういった方と自分を含めた学生を繋がらせたいと思いコーヒースタンドを始めました。

加治屋町でリヤカーを引きながら平日の朝に出勤前の社会人にコーヒーを売る移動販売ですが、保健所に申請したときにはリヤカーで売る人初めて見ましたと笑われましたけどね(笑)ただ、コーヒーを売ることで注目してもらいつつ、面白いことをしている学生がいるぞってなったら、面白い大人も近づいてくるだろうと考えました。

そんな事業も気づいたら学生メンバーが50名くらいになって、ユースセンスという事業名でカフェやゲストハウス、バーまで作り拡大させました。

新たな取り組み~蜂蜜との出会い~

ユースセンスは後輩へ譲り、次何やるかなと思っていましたが、新たに熱量が下がらない自分の好きなことをやりたいと思いました。そこで浮かんだのが“蜂蜜”でした。理由が3つあります。

1つ目が、自分自身が甘党で蜂蜜が単純に好きだったこと。

2つ目が、蜂蜜は健康にも良いことで知られているのでビジネスとして成り立つやすいのではないかと感じたこと。

3つ目が、養蜂業界には課題が多かったこと。具体的には、蜜源が減っている、継ぎ手がいない、大変なのに儲からないなどの多くの課題を抱えた養蜂業界を盛り上げたい!と感じたこと。

知覧で養蜂の体験を行ったときにお世話になった方の体験談や暑い時期に防護服を着て、重たい巣箱を運ぶという非常にキツイ肉体労働をしたときに、辞めたくなるし子供に継がしたくないと感じる理由も何となく分かりましたね。

蜂蜜の付加価値を上げるために

まずは出来るだけ蜂蜜の付加価値を上げたいと思い、ホットミルクに特化した専用蜂蜜を作り始めました。ホットミルクは単に自分が毎朝飲んでいて、ホットミルクに特化した蜂蜜があれば使いたいなという理由で着目しました。理想は蜂蜜を入れることで膜が出来ずに美味しいホットミルクが飲めるというものでしたが、膜がどうしても出てきてしまい納得できなかったので断念しました。

蜂蜜酒の発見

次に、蜂蜜の加工食品は他に何があるかなと調べて出会ったのが、蜂蜜を原料にした「ミード」でした。ネットで購入して飲んだところ「これは上手い!」と感じ、すぐに東北のメーカーに電話して工場に行かせてくださいと頼みました。初めて飲んでから工場に行くまで1週間くらいでした(笑)

実際に行ってみて、自分も作りたい!と思いましたが、そもそも酒造免許を持っていないと製造が出来ないことを知りました。

改良を重ね完成したmeadol(ミードル)

蜂蜜に付加価値をつけるということであれば、原料は自分達で仕入れたうえで、酒造免許を持った誰かにに理想を伝えながら製造してもらい、自分はデザインを作って、それを販売しようと考えて起業しました。いわゆるOEMという手法で、そこで出来たのが「meadol(ミードル)」の初期版です。

お酒の販売には酒販免許が必要ですので、免許を取得し、全て買い取って販売を始めました。とはいえ、自分で製造することが悔しくて諦められなかったので、設備面の整備などでハードルの高い酒造免許を取るにはどうすればよいのかということを考えていました。

販売だけではあるものの、お酒の作り方を学ぶことが大事と考え東京の醸造所で修行もしましたね。そこでは、お酒との向き合い方や、整理整頓などお酒以外の基礎的なことも徹底的に叩き込まれましたね。

一昨年の3月に絶対に難しいよと言われていた酒造免許を取得し、ここ荒田の醸造所で作り始め、失敗しながら何度も改良を重ねた結果、今ここで売っている「meadol(ミードル)」が完成し今に至っています。

かごフォロ(令和6年3月4枚目)

現在に至るまでの苦心

最初は知名度もなく全く売れませんでした。正直倒産しそうな時期もあり、どうやって生き延びていくか考えたときが一番自分の経験値は上がったかもですね。

そんな時でも、自分の好きなことをやれているという気持ちがあったのであきらめずに走り続けました。金銭面でやりくりが苦しい時期もありましたが、プライドを捨てて誰かに頼ろうと思い、SNSで「何でもやりますから仕事をください」と投稿し、得意だったweb制作の手伝いをしたりして何とか凌いでいました。

仕事のやりがい

好きなことを自由にやれていることはもちろん、他にも商売をやっていくうえでトラブルはつきものですが、その原因を突き止めて課題を解決し、一つ一つ乗り越えていく感じが好きです。対戦ゲームでも負けたら、攻略の仕方を考えてまた挑戦してやる!って思うじゃないですか、それと同じ感じですね。実際、ミードを作りたいと思って、初めて工場に行った時にも、そもそも酒造免許がないと作れないと知ったこともトラブルでしたし(笑)その後、目的を達成するために酒造免許を取得したことも同じ例だと思います。

一昨年からオンライン販売に加え、店頭販売を始めましたが、実際にお客様から喜んでいただける生の声を聴けることになったのはとても気持ちいいですよね。ネット時代ではありますが、直売は本当に大事なんだなと感じました。

かごフォロ(令和6年3月2枚目)かごフォロ(令和6年3月3枚目)

今後の展望

店頭販売に手応えを感じているので、時期を見て店舗を増やそうかなと思っています。荒田のお店ではカフェとして席を拡充するので、居心地が良くなるカフェを作れればと思っています。卸先も増やして、もっと買いやすくなるようにもしたいです。

あとは、ミードル以外のお酒も開発したいと考えています。蜂蜜のポテンシャルをもっと活かして、お客様により喜んでいただけるように、一言でいうと「やっぱ蜂蜜最高だわー!」と思っていただけるように頑張りたいです。

鹿児島市民へのメッセージ

ぜひ、当店で製造した蜂蜜酒を飲んでほしいですね!お酒が苦手な方でも楽しめると思いますし、当店の自信作でもありますので!

飲み方は人好みですが、おすすめは蜂蜜をより感じることができるのでストレートで飲んでほしいですね。

株式会社honeyboy&co.のアカウント

よくある質問

お問い合わせ

総務局市長室広報課

〒892-8677 鹿児島市山下町11-1

電話番号:099-216-1133

ファクス:099-216-1134

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