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更新日:2022年7月1日
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鹿児島市在住のイラストレーターで、美術館などでの展示のほか、ファッションブランドやミュージシャンとのコラボ、企業広告など、幅広く活躍されている篠崎理一郎さんにお話を伺いました。
幼少期の頃から落書きをしたり、漫画を描いたりするのが好きでした。後で知りましたが、祖父が美術の先生だったことも、どこかで影響していたのかもしれません。大学では、社会人になってからも続けられる趣味にできればと思い、美術部に入りました。
美術部では風景画などを描いて、コンテストに出品していました。その中で、会社員から転身した人など、様々なイラストレーターの方々と交流する機会があり、「自分も何か始めてみよう」と刺激を受け、SNS投稿など個人の活動に取り組むようになりました。
大学院を卒業する頃には、個展の開催などのお話を受けるようになっていましたが、就職は一般企業を選びました。社会人になってからも、限られた時間の中で創作活動を続けていましたが、だんだんとそんな生活に嫌気が差し、結局、一年で退職してしまいました。
退職後は鹿児島市に戻り、フリーのイラストレーターとしての活動を始め、自分だけの表現を模索するようになりました。継続的に作品を発表し、その反応を見る中で、あえて「分かりやすさ」から離れて、「これは何だろう?」と思わせる「曖昧さ」を残した線画のスタイルにたどり着きました。
最近はクライアントワーク(企業からの依頼)も増えていますが、その面白いところは、他の人によって自分の作品に想定外の意味が付けられることです。見る人によって解釈が違う「曖昧さ」があるからこそ、いろいろな意味を持つことができるのだと思います。友人からはよく「変な絵」と言われますが、今ではそれが自分の表現の一部だと考えています。
自然が豊かで、自身の故郷ということもあり、とても居心地が良いです。ただ、気を抜くとゆっくり過ごしすぎてしまうので、アートに関するアンテナは、常に張るように心がけています。
桜島は鹿児島市民にとって見慣れた存在ですが、その雄大さや火山活動など、大きなエネルギーを秘めている存在だと思います。いつかそれを絵で表現したいと思っていたところ、鹿児島市の第六次総合計画のイラストを作成することになり、「さまざまな人・モノ・コトが湧き出て、つながる未来」を桜島のイメージに重ねてみました。鹿児島ならではのモノが登場するなど、ちょっとしたネタも仕込んでいるので、ぜひ手に取って見てもらえればと思います。
ネットが普及した今の時代、何事も「パッと見てすぐ分かる」ことが求められがちですが、本来、表現はもっと自由であるべきです。自身の作風もそうですが、音楽などでも「曖昧」だからこその意味や価値もあると思います。ものづくりなど、自分の表現を志す人は、「曖昧さ」も含めて、臆せずに自由な表現で挑戦を続けてもらえたらと思います。
私も今後、地元の鹿児島で、コロナ下ならではの表現などにも挑戦していきたいと思っています。
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