更新日:2021年12月14日
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適量な飲酒は、気分を和らげ、生活の楽しみにもなりますが、多量にとることは、健康に悪影響を及ぼすばかりでなく、社会問題の原因にもなります。
肝臓の処理能力など個人差はありますが、一般的な適量や上手な飲み方を再確認して、楽しく安全なお酒との付き合い方を心がけましょう。
アルコールは少量なら気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果がありますが、大量になると麻酔薬のような効果をもたらし、運動機能を麻痺させたり意識障害の原因になります。その他、少量のアルコールは循環器疾患の予防になったりHDLコレステロールを増加させたりします。
アルコールの心身に与える影響は、精神的・身体的な発育の途上にある20才未満においては大きいとされており、20才未満の飲酒は禁止されています。また、妊娠している女性の飲酒は、胎児性アルコール症候群などの妊娠に関連した異常の危険因子となります。
アルコールは寝つくまでの時間を短縮させます。そのためにアルコールを寝酒として使う人もいます。しかし就床1時間前に飲んだアルコールは、少量でも睡眠の後半部分を障害することが知られています。つまり、寝つきは良いのですが夜中に目覚めてその後なかなか眠れないという現象がおこります。また就床前のみならず就床6時間前に飲んだアルコールも睡眠後半部分の覚醒度を上げることが知られています。
毎年、11月10日から16日は、アルコール関連問題啓発週間です。
お酒は、生活に豊かさや潤いを与えるものですが、不適切な飲み方をすることにより、本人の心にも体にも悪影響を及ぼすことがあります。また、家族への深刻な影響やアルコールに関連した社会的な問題の原因になる恐れもあります。この機会に、アルコールがもたらすリスクについて考えてみませんか?
1日の適量は、純アルコールで20gです。この量を各種アルコール飲料に換算すると、下記のようになります。
各種アルコール飲料の適量
ビール(5度):中ビン1本、500ml
焼酎(25度):0.5合、90ml
日本酒(15度):1合、180ml
チューハイ(7度):350ml(350ml缶1本)
ハイボール(7度):350ml(350ml缶1本)
ワイン(12度):グラス2杯、200ml
ウイスキー(40度):ダブル1杯60ml
純アルコール量の計算
500(ml)×0.05×0.8=20(g)
お酒の量(ml)×【アルコール度数(%)÷100】×比重=純アルコール量(g)
厚生労働省のガイドライン等を踏まえて、下記に「健康を守るための12の飲酒ルール」を紹介します。これをもとにご自分やご家族の飲酒習慣をもう一度振り返ってみてください。
1)飲酒は1日平均純アルコール量20g以下節度ある適度な飲酒を守りましょう。
2)女性・高齢者は少なめに
中年男性に比べて、女性や高齢者は飲酒量を控えることをおすすめします。例えば1日350mlの缶ビール1本以下を目安としてみましょう。
3)赤型体質も少なめに
飲酒後にフラッシング反応を起こす人をここでは赤型体質とも呼びます。この体質はアルコールの分解が遅く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいといわれています。
4)たまに飲んでも大酒しない
たとえ飲む回数が少なくとも一時に大量に飲むと、身体を傷めたり事故の危険を増したり依存を進行させたりします。
5)食事と一緒にゆっくりと
空腹時に飲んだり一気に飲んだりすると、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり場合によっては急性アルコール中毒を引き起こします。またあなたの身体を守るためにも濃い酒は薄めて飲むようにしましょう。
6)寝酒は極力控えよう
寝酒(眠りを助けるための寝酒)は、睡眠を浅くします。健康な深い睡眠を得るためには、アルコールの力を借りないほうがよいでしょう。
7)週に2日は休肝日
週に2日は肝臓をアルコールから解放してやりましょう。そうすることで依存も予防できます。
8)薬の治療中はノーアルコール
アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また、精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存を早めることが知られています。
9)入浴・運動・仕事前はノーアルコール
飲酒後に入浴や運動をすると、不整脈や血圧の変動を起こすことがあり危険です。またアルコールは運動機能や判断力を低下させます。
10)妊娠・授乳中はノーアルコール
妊娠中の飲酒は胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがあります。またアルコールは授乳中の母乳に入り、乳児の発達を阻害します。
11)依存症者は生涯断酒
依存症は飲酒のコントロールができないことがその特徴で、断酒を続けることが唯一の回復方法です。
12)定期的に検診を
定期的に肝機能検査などを受けて、飲みすぎていないかチェックしましょう。また赤型体質の習慣飲酒者は、食道や大腸のがん検診を受けましょう。
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