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更新日:2015年3月20日

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平成23年2月15日(火曜日)市長定例記者会見

市長予算発表の様子

日時:平成23年2月15日(火曜日)13時16分~14時36分

場所:鹿児島市役所本館2階特別会議室

※報道提供資料はこちらをご覧ください→報道提供資料(PDF:388KB)観光交流部参考資料(PDF:1,081KB)

市長 はじめに、3月12日の九州新幹線全線開業にあわせた新たな取り組みについて説明します。
まず、公共交通を活用した新たな魅力づくりについてですが、観光電車を、3月5日から、土曜・日曜・祝日に、それぞれ1日4便運行します。
所要時間は約70分で、車内では、乗客の皆さんに観光電車サポートガイドが市電沿線の史跡等を紹介します。
全国でも珍しい路面電車で、のんびりと車窓から鹿児島のまち巡りを楽しんでいただきたいと思います。
また、カゴシマシティビュー1台を更新しましたので、同日から、運行を開始しますほか、夜景コースを増便して運行することにします。
さらに、新しい桜島観光の目玉として、「よりみちクルーズ船」を3月10日から毎日1便、本格運航します。
なお、3月10日の最初のクルーズ船には、本市初の導入となるスーパーエコシップ「サクラエンジェル」を使用することにしています。
新幹線で本市を訪れた多くの観光客の皆さんに、本市ならではの路面電車やカゴシマシティビュー、桜島フェリーをご利用いただいて、本市のまち並みや歴史、自然の魅力を存分に満喫していただきたいと思います。
次に、リニューアルオープンする公共施設について説明します。
まず、平成27年度を目途に、順次、整備を進めている平川動物公園では、来月、世界のクマゾーン、野生のイヌ・ネコゾーンとインドの森ゾーンなどがリニューアルオープンします。
さらに、整備するトラ舎では、世界的にも貴重なホワイトタイガーの公開も予定しており、現在、準備作業を行っています。
なお、オープニングセレモニーを3月25日に開催する予定です。
次に、かごしま近代文学館・メルヘン館についてですが、近代文学館には、向田邦子に関する資料を展示する「向田邦子の世界」や、海音寺潮五郎など鹿児島ゆかりの5人の作家たちを紹介するコーナーなどを充実させるとともに、メルヘン館には、遊びながら、絵本や童話の世界に親しめる「おはなしのまち」や、童話をモチーフにしたトリックアートなどを配した「おはなしの散歩道」などを新たに設けました。
子どもから大人まであらゆる世代の皆様に楽しんでいただける施設に生まれかわった両館は、3月30日にオープニングセレモニーを行い、開館します。
ぜひ、リニューアルされた両施設に、多くの市民をはじめ観光客の皆さんにお越しいただきたいと思います。
私からの発表項目は以上ですが、お手元の資料、「九州新幹線全線開業に向けた観光PR等について」の詳しい内容につきましては、会見の終了後、観光交流部から記者クラブで説明させていただきますので、よろしくお願いします。

質疑応答要旨:ホワイトタイガーの公開日

記者 平川動物公園のオープニングセレモニーにはホワイトタイガーの公開は間に合いますでしょうか。

市長 中国から来ますので、今、仲介されている方々といろいろ連絡をとりながら(調整)していますが、まだ詳細な情報等はつかんでいないところです。できるだけ間に合うように交渉していきたいと思います。

市長発表:平成23年度当初予算(案)及び平成23年度組織整備の概要について

市長 続きまして、平成23年度の予算案がまとまりましたので、その概要についてご説明します。
私は、市長就任以来一貫して、住民自治の原則に立ち、市民との対話、パートナーシップを大切にした、市民一人ひとりがまちづくりの主役として活躍できる「市民が主役の鹿児島市の実現」を基本理念に、市民の皆さまが夢と希望を抱き、いきいきと幸せに暮らせるまちを築き上げることを目指して日々全力を傾けてまいりました。
今後におきましても、市民の皆さまと真摯に向き合い、共に考え、共に行動する中で、市民の熱意や英知を結集し、協働のまちづくりを推進してまいりますので、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、わが国は、本格的な人口減少局面へ移行し、少子高齢化が急激に進行しています。経済状況は、景気が足踏み状態にある中、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にあります。
国においては、平成23年度の予算編成に当たり、「新成長戦略」を着実に推進すると同時に、「財政運営戦略」に定めた財政規律の下に、成長と雇用拡大を実現することを基本方針として、子ども・子育て支援、雇用対策などの重要な政策課題に取り組むこととされています。
地方財政においては、企業収益の回復等により、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が増加する一方、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれています。
このため、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、実質的に平成22年度の水準を下回らないよう確保するとの財政運営戦略に基づき、地方財政計画においては、地域主権改革に沿った財源の充実を図るため、地方交付税総額を約4、800億円増額することとされたところであります。
本市においても、歳入面では法人市民税の増収等により市税収入が増加するものの、歳出面では社会保障関係経費の大幅な増加に加え、将来を見据えた都市基盤整備や喫緊の課題である経済・雇用対策などに引き続き多額の費用が見込まれることから、財政状況はますます厳しくなるものと予想されます。
これらのことを踏まえ、予算編成に当たっては、財政の健全性を維持しながら、慣例・前例にとらわれずゼロベースで、徹底した事務事業の峻別・見直しを行うなど創意工夫を重ねる中で、市民にお約束した諸施策については可能な限り予算に盛り込んだところです。
それでは、予算案の具体的な内容について申し上げます。
お手元の資料、『平成23年度当初予算(案)のポイント」の1ページをご覧下さい。
来月、待望久しかった九州新幹線鹿児島ルートがいよいよ全線開業を迎えます。本年度は、市勢浮揚への強力な追い風を背に受け、これまで蒔いてきた多くの取組の種が萌芽し大きく開花する年であり、私はこの年を、本市の新たなステージの幕開けとなる「新幹線・大交流元年」と位置づけています。
そこで私は、社会を取り巻く厳しい状況を打開し、本市発展のビッグチャンスを生かすため、「感動のまちかごしま4ty(シティ)」をキーワードとし、23年度予算編成を行いました。
4ty(シティ)、すなわち4ty(よんてぃ)とは、
1.資源の「オリジナリティ:独自性」を生かし、
2.都市の「バイタリティ:活力」を結集して、
3.まちの「アメニティ:快適性」を高め、
4.市民の「ホスピタリティ:もてなしの心」に満ちあふれた
感動のまち「かごしまシティ」であり、これらのキーワードを常に念頭において、私の思い描く「人とみどりが輝くまち・かごしま」の創造に全身全霊を傾け、大胆に挑んでいく覚悟であり、次の5つの項目を重点的な取組として、市政を積極的に進めてまいります。
まず、第1の項目は、「新幹線・大交流をまちの力に」~にぎわい・活力の創出とホスピタリティの醸成~であります。ここでは、「観光都市鹿児島の創造」や「にぎわい・活力の創出」に取り組んでまいります。
第2の項目は、「潤い豊かな環境をあしたへ」~自然と調和した花と緑が彩るまちの創造~であります。ここでは「花と緑が彩るまちの創造」や「環境にやさしいまちづくり」に取り組んでまいります。
第3の項目は、「未来を担う人づくりをみんなで」~次世代の育成と市民文化の振興~であります。ここでは、「子育て環境の充実」や「次世代の育成」などに取り組んでまいります。
第4の項目は、「ぬくもり・安らぎを暮らしの中に」~安心・安全・快適な生活基盤の確立~であります。ここでは、「きめ細かな保健・福祉施策の推進」や「安心安全な地域社会づくり」及び「雇用の創出・確保」などに取り組んでまいります。
第5の項目は、「市民目線で市民とともに」~創意と工夫に満ちた行財政運営~であります。ここでは、「協働のまちづくりの推進と質の高い市民サービスの提供」や「効率的で効果的な行財政運営」に取り組んでまいります。
次に、23年度当初予算案の規模ですが、
一般会計で2,291億4,700万円
特別会計・企業会計を合わせた鹿児島市全体の総額は3,989億7,900万円となります。
一般会計の規模を前年度と比較しますと、4.3%の増となり、過去最高の規模となりました。
次に、2ページをご覧ください。一般会計当初予算(案)の特色です。
まず、予算規模は、ただいま申し上げましたとおり、過去最高となっており、4年連続のプラス予算です。前年度と比較しますと、約94億円の増で、伸び率4.3%は、地方財政計画における伸び率0.5%を大幅に上回っています。
歳入の主なものは、市税が法人市民税の増などにより、約9億円(1.1%)の増となっているほか、子ども手当費や生活保護費の増などにより国庫支出金が大幅な伸びとなりました。また、地方交付税につきましては、国の地方財政対策に伴い増となったところです。
歳出の主なものについてですが、
まず、現下の厳しい経済・雇用情勢に対応する経費ですが、普通建設事業費は、約402億円で、公共事業の持つ地域経済への大きな効果を踏まえるとともに、将来に向けた都市基盤の着実な整備などを踏まえ、2年連続で400億円を超える規模を確保しました。
このほか、県の基金を活用した緊急雇用及びふるさと雇用再生事業をさらに活用するなど就業機会を生み出す施策に積極的に取り組むとともに、企業立地の推進や人材育成など、雇用の拡大に取り組んでまいります。
こうしたことにより、経済・雇用対策費の総額は、22年度の2月補正と合わせますと、約680億円を確保したところです。
一方、扶助費は約653億円で、前年度に比べて約66億円の増となっています。これは、子ども手当(約28億円)や生活保護(約22億円)の増などによるものです。
次に、財政3基金につきましては、これまで申し上げた各種取組に対する財源確保策として、約43億円を取り崩すこととしており、昨年度当初予算に比べますと、取崩額を約10億円縮小しています。
また、当初予算ベースでの、23年度末の3基金の残高見込みは、22年度末(約143億円)に比べ、約46億円増加し、約189億円を見込んでいるところであり、将来の財政需要に向けた基金の有効活用にも配慮したところです。
また、実質的な地方交付税である臨時財政対策債を除いた市債残高につきましては、23年度末見込みで約2、044億円であり、昨年度予算ベースでの22年度末見込みより約18億円改善しているところです。
したがいまして、プライマリーバランスにつきましては、引き続き、黒字を確保しました。
このようなことから、引き続き、財政の健全性も維持できているものと考えているところです。
以上、当初予算案の特色を申し上げましたが、総括しますと、今回の予算は、新幹線・大交流をまちの力とし、にぎわい・活力を創出するとともに、豊かさを実感できる魅力あるまちづくりへ向けた積極型予算としたところです。
なお、ただいま、申し上げました内容につきまして、3ページから7ページに予算案の概況と資料を掲載していますので、後ほど、お目通しをお願い申し上げます。
次に、平成23年度当初予算案の重点的取組項目の主要事業について、ご説明申し上げます。
資料の8ページをご覧ください。重点的取組項目とその主要施策を掲げています。各項目の主要事業の概要は、9ページ以降にお示ししていますので、その主なものを、順次ご説明します。
まず、9ページをお開きください。
1「新幹線・大交流をまちの力に」~にぎわい・活力の創出とホスピタリティの醸成~の「1.観光都市鹿児島の創造」ですが、
(1)桜島周遊バス事業は、観光客が、桜島を気軽に周遊できるように、新たに、桜島港を発着点に湯之平展望所までを循環する観光周遊バス事業を実施します。
(2)桜島フェリーよりみちクルーズ船運航事業は、鹿児島港から神瀬を周り桜島港へ至る約50分のよりみちクルーズ船を、年末年始を除き毎日運航します。
(6)かごしまプロモーションin上海は、経済成長著しい中国からの観光客の増大を図るために、上海において、各種媒体を活用したプロモーションを行うものです。
10ページにまいりまして、
(8)観光農業公園整備事業は、23年度は、ワークショップの開催、造成工事及び建築工事等を行ってまいります。
(11)“美味のまち鹿児島”魅力づくり事業は、食をテーマにしたイベントやキャンペーン等として“美味のまち鹿児島”「薩摩美味維新(さつまぅんまかいしん)」を四季折々に実施します。
11ページをご覧ください。「2.にぎわい・活力の創出」ですが、
(1)新産業創出支援事業は、産学官で構成する新産業創出研究会を設置し、本市の特性等を生かしたビジネスモデルや推進方策の検討を行ってまいります。
(5)地域密着店 連携支援モデル事業は、近隣型等の商店街において、業種が異なる中小店舗等の連携を促進し、各店舗の強みを生かして、地域消費者への生活提案等を一体的に行う取組を支援することにより、商店街の強化、再生につなげてまいります。
12ページにまいりまして、
(12)農作業受託組織整備は、地域の高齢農業者等の農作業を受託し、遊休農地の発生防止や農地の有効利用を進める受託組織の整備を図ってまいります。
13ページをご覧ください。
2「潤い豊かな環境をあしたへ」~自然と調和した花と緑が彩るまちの創造~です。
まず、「1.花と緑が彩るまちの創造」ですが、
(2)全国都市緑化フェア開催事業は、九州新幹線全線開業に合わせて、第28回全国都市緑化かごしまフェアを、来月3月18日から5月22日まで、鹿児島ふれあいスポーツランドなどで開催します。
(3)JT跡地緑地整備事業は、市民が気軽に散策できる緑地施設として整備するため、用地取得及び基本計画・基本設計を行います。
(4)天文館1号線緑化整備事業は、新たなにぎわい、安らぎ、潤いを創出し、中心市街地の活性化を図るため、天文館1号線に芝生を活用した緑化整備を行います。
14ページをご覧ください。「2.環境にやさしいまちづくり」ですが、
(4)甲突川リバーフェスティバル開催事業は、甲突川を活用した参加体験型のイベントを開催し、身近な自然に親しみながら環境保全意識の向上を図ってまいります。
15ページをご覧ください。
(9)コミュニティサイクル導入検討事業は、中心市街地の複数の拠点で貸出・返却ができるコミュニティサイクルの社会実験を行います。
16ページをご覧ください。
3「未来を担う人づくりをみんなで」~次世代の育成と市民文化の振興~です。
まず、「1.子育て環境の充実」ですが、
(1)親子つどいの広場整備事業は、親子つどいの広場を新南部保健センターとの複合施設として、南部地域に整備するための用地取得や実施設計を行うものです。
(6)私立保育所補助金は、23年度は、療育支援を要する児童の保育補助金を新設します。
17ページをご覧ください。
(10)放課後児童健全育成事業は、23年度は、土曜日及び夏休みなどの運営時間を1時間延長するとともに、新たに9カ所に児童クラブを開設します。
18ページをご覧ください。「2.次世代の育成」ですが、
(1)普通教室クーラー設置事業は、23年度は新規に13校について整備してまいりますが、22年度の予算計上分を含めると計31校について、学校の普通教室にクーラーを設置し、良好な教育環境を確保します。
(6)音楽等文化活動に対する助成(7)保健体育等推進助成事業
は、それぞれ大会助成を拡充するものです。
19ページをご覧ください。「3.市民文化の振興」ですが、
(1)地域の魅力づくりプラン(文化関連)策定経費は、鹿児島らしい文化振興、地域活性化を図るために、地域の魅力づくりプランの策定に取り組んでまいります。
(2)大桜島展開催事業は、九州新幹線全線開業を機に、「桜島」をテーマとし、絵画展などの大桜島展を開催します。
20ページをご覧ください。
4「ぬくもり・安らぎを暮らしの中に」~安心・安全・快適な生活基盤の確立~です。まず、「1.きめ細かな保健・福祉施策の推進」ですが、
(2)第20回記念福祉ふれあいフェスティバル事業は、20回目の記念事業として内容を充実して開催します。
21ページをご覧ください。
(6)第25回記念長才まつり開催事業は、第25回の記念式典や各種イベントを記念事業として開催します。
22ページにまいりまして、
(12)子宮頸(けい)がん予防接種事業(14)乳幼児細菌性髄膜炎予防接種事業は、それぞれの対象者への予防接種を全額公費負担で実施します。
(15)新南部保健センター整備事業は、南部保健センターを親子つどいの広場との複合施設として移転新築するための用地取得及び実施設計を行います。
23ページをご覧ください。「2.安心安全な地域社会づくり」ですが、
(5)ドクターヘリ運航事業は、救急医療体制の充実を図るため、ドクターヘリの運航を開始します。
24ページをご覧ください。「3.雇用の創出・確保」ですが、
(5)緊急雇用創出事業 臨時特例基金事業(6)ふるさと雇用再生特別基金事業は、引き続き、県の基金を活用し、雇用・就業機会の創出を図るもので、23年度は両基金合計で77の事業を実施してまいります。
25ページをご覧ください。「4.快適な環境都市づくり」ですが、
(6)公共交通不便地対策事業は、10地域において「あいばす」の運行等を行うとともに、新たに錫山地区において乗合タクシーによるデマンド交通の運行を開始します。
26ページをご覧ください。
5「市民目線で市民とともに」~創意と工夫に満ちた行財政運営~です。
まず、「1.協働のまちづくりの推進と質の高い市民サービスの提供」ですが、
(4)ワンストップ窓口設置事業は、転居等に伴う各種の届出等について一つの窓口で行うワンストップ窓口サービスを本年10月から開始します。
27ページをご覧ください。「2.効率的で効果的な行財政運営」ですが、
(3)本庁舎整備事業は、基本設計を行うとともに、西別館やみなと大通り別館自走式立体駐車場の実施設計などを行います。
(4)新喜入支所庁舎整備事業は、新喜入公民館との複合施設として、本年10月に供用開始予定です。
最後に、28ページをご覧ください。23年度に実施する主なゼロ予算事業です。新たな予算措置をすることなく、既定経費の中で行政サービスを提供するものです。お目通しをお願いします。
以上で、私の説明を終わりますが、新年度予算案のその他の主要事業、経済・雇用対策及び組織整備の概要につきましては、お手元の資料にお目通しをお願いします。
平成23年度当初予算の資料はこちらをご覧ください

質疑応答要旨:新幹線全線開業による交流拡大

記者 23年度予算案は「新幹線・大交流元年」という位置づけですが、交流というと県内、市外から人が来て交流が生まれるというイメージでよろしいですか。

市長 市内を含め、市外、県外、国内、そして海外、世界的に新幹線を活用した交流が生まれるということを想定して、新幹線・大交流時代元年ということで、この2011年を新幹線の全線開業によって、鹿児島のまちが大きく変わる年になると思っていまして、それに伴う対策として予算を組んだところです。

記者 鹿児島の魅力は何でしょうか。

市長 私はこれまでも申し上げてきましたが、世界有数の活火山桜島、その前に横たわる波静かな錦江湾という雄大な自然環境、活火山・櫻島から恩恵を受ける市内各所に湧き出る温泉、食として、黒牛・黒豚などがあります。また私どもは、先ほど説明しましたが、“美味のまち鹿児島”の食の魅力づくり、薩摩美味維新ということでそれぞれの業界の皆様方が創意工夫を重ねて、新たな食の魅力も創出するということで、今実施しています。
それと、やはり歴史・文化、江戸から明治維新を擁立した英傑を生んだ都市だということで、これも他の都市にはない大きな魅力の1つではないかと思っています。
そういった意味では、鹿児島はほかの都市にはない、やはり多彩な魅力を持った都市だとを思っています。それにより一層磨きをかけ、より一層情報発信していくことで、新幹線全線開業により、多くの皆様方に鹿児島の魅力を体感していただくために、たくさんお越しになっていただくことを想定した予算を策定しました。

記者 新幹線で鹿児島市から人が出ていくことに関しては、どういう想定をされていますか。

市長 それもあり得ると思います。博多まで最速で1時間19分、大阪まで3時間45分と、また韓国までは鹿児島から行きますと、飛行機で1時間20分ぐらいから30分でソウルに行きますし、また福岡まで行って、福岡からビートルで釜山に渡って、釜山から韓国や上海にも行く人も増えてくると思います。
やはりそれが交流であって、そういう人たちが鹿児島から出て行って、鹿児島の魅力を言ったところで伝えていただく。そしてまた、そこの方々を鹿児島へ迎えるという交流を、新幹線を絡めて、市民、県民の方々が実際にしていただければと思っています。

質疑応答要旨:新幹線関連予算の内容

記者 今回、新幹線を重点項目のトップに置いて、力を入れていると思うのですが、新幹線関連の予算というのはいくらぐらいでしょうか。

市長 新幹線予算関係として、「新幹線・大交流をまちの力に」は約69億の予算を組みます。

記者 この重点的取り組みの1番のところですか。

市長 そうです。

記者 この額というのは新幹線に対して配慮したものですか。

市長 そうです。例えば4番の「ぬくもり・安らぎを暮らしの中に」は861億ぐらいです。「新幹線・大交流をまちの力に」というのは、ソフト事業が大半を占めてくると思います。金額的にはほかの項目からすると少ないかもしれませんが、やはりこれは鹿児島市独自の施策、また県・国とも連携をしながら、さらに鹿児島・熊本・福岡と三都市連携を踏まえた対応、とにかく新幹線を絡めたいろんな事業等に特化した予算が69億の中に含まれていると思っています。

記者 今回の新幹線関連の事業を見ると、桜島ですとか、それから東アジアを目的とした新規事業などが目立ちますが、れに力を入れたという認識でいいでしょうか。もしそういう認識であるならば、こういうところに力を入れた思いを改めてお聞かせください。

市長 私は鹿児島の魅力というものは、先ほど申し上げましたように、やはり活火山桜島と、鹿児島と言えば桜島という、ほとんどの方が思っていると思うので、この新幹線開業の記念事業として、桜島を絡めた絵画展やそのほかのこともできれば、鹿児島をもっとアピールできると思っています。もう1つは東アジアへのいろいろな取り組みについては、やはり新幹線が全線開業しますと、時間が短縮することで行き来がより大胆になってダイナミックになると思っていますので、東アジアも、極端な言い方をすると、日帰りできるような距離になってきます。隣の町に行くような感じで人が往来するのではないかと思っています。
そして、一番の鹿児島の地理的な利点として、海外との交流ですが、アジアの中でも東アジアが一番近い。そしてまた東アジアの韓国、中国、そういう方々は鹿児島に対して、私もトップセールスを行っていますが、魅力を感じています。そういう方々により多く新幹線を利用してもらい、そしてまた新幹線だけではなくて、飛行機も船等も使っていただいて鹿児島に来ていただきたいという思いを今回の予算の中にも計上したところです。

記者 外国の方と話すと、やはり近くで火山を見られるというのが非常に魅力で、それだけでも観光資源として価値があるという話をされるのですが、それとの絡みというのはどういうふうに考えていますか。

市長 予算とは関係ないですが、先月、トップセールスに韓国に行ってまいりました。あそこは活火山がありませんので、今、新燃岳の関係で、相当韓国の方々が活火山が爆発していることを、相当恐怖感を感じている。そのことで観光客の足が少し鈍っています。
しかし反面、安全性・安心性、そういうまた防災体制というものがしっかりと確立しているということを伝えますと、活火山を近くで見ながらトレッキングするという魅力というものは、韓国の方々は大いに持っているとも感じましたので、今桜島について私どもはPRしていますが、噴火をしますが安全で、いろんなところに温泉があるということをお伝えしています。
やはり東アジアの方々は、目の前で見る活火山に対して感激を受けられるのではないかと思っています。

質疑応答要旨:観光振興に対する取り組み

記者 新幹線に関して、特に桜島周遊バス事業など、観光に対する取り組みが目立つと思います。実際に市外、県外、そして海外からいらっしゃるお客様を観光でどうお迎えするのでしょうか。

市長 平成20年度に900万人の入り込み観光客数を記録しました。その後、ちょっと衰退して、今800万人台になっていますが、この新幹線絡みでその平成20年度の観光客数を上回る、多くの方々に来ていただきたいと思っています。
そういった意味では、桜島に対するいろんな事業も、今回よりみちクルーズ船を含め、桜島観光周遊バス、そしてシティビューを絡めて桜島へ行く。そういう経路等もつくりましたし、やはり多くの皆様方にこの新幹線を使って、観光をしに鹿児島に来ていただきたいという思いが強くありまして、やはり鹿児島のにぎわい、そしてまた活性化を生み出せる大きな原動力は、やはり入り込み観光客数の増加ではないかと思っています。
鹿児島ではゆったりと、そしてまた憩い、また潤いを感じていただける地域であると我々自負しています。それらを多くの皆様方に体感していただきたいと思っています。県外、国内、そしてまた海外から多くの観光客を迎えたいと思います。
また、九州新幹線の絡みで言いますと、新幹線で今高速鉄道網が東北、青森まで結ばれたところですので、先般、青森でトップセールスをした際にも、なかなか九州、鹿児島というのは遠いという感じがしていたのが、この九州新幹線が1本でつながることで、約10時間という時間ではありますが、何かしら身近に感じ、1つの高速鉄道網で結ばれることで、鹿児島にも関心が向いたという多くの意見を青森の方々からもお聞きしました。そういった意味では、やはり観光に対する取り組みというものをより強めていかなければならないと実感しましたし、そのことが、先ほど言いましたように鹿児島の地域の活性化にもつながっていくし、また、にぎわいにもつながっていくと思っています。

質疑応答要旨:市立美術館の大桜島展

記者 市立美術館の大桜島展は項目が新幹線のところではないですが、やはり桜島観光の魅力PRという部分の1つだと思っていいでしょうか。

市長 毎年、いろんな団体の方々が桜島を題材にしたイベントを開催されていますが、今回はやはり新幹線開業記念ということで、鹿児島市、県民にとってもシンボルでありますし、また日本にとってもやはりいろんなところで桜島が出てきますので、多くの方々が鹿児島といえば桜島ということをやはり認識していると思っていますので、記念事業として、この桜島に絡めた大きなイベントができればと思っています。
そのことで、先ほどからも話が出ていましたように、多くの方々に鹿児島に来てもらい、その大展覧会を見ていただく、そしてまた実際に桜島に渡っていただいて、桜島の魅力を体感していただければと思います。

質疑応答要旨:扶助費の増大

記者 歳出の主なもので、扶助費が非常に増大していることに伴って、生活保護費や子ども手当の増額などがあるとは思うのですが、この生活保護費に関して、何か具体的な抜本的な対策は新年度の予算編成で打ち出していますでしょうか。

市長 生活保護費の増大というのは、各自治体共通のことだと思っています。今回は生活保護費対策として、その支援員というものを配置しまして、職員以外にそういう方々にぜひ力をいただいて、生活保護の対策・対応を図っていきたいと思っています。
やはり生活に困った方々、厳しい経済環境の中でなかなか就職もできないし、そしてまた仕事にも意欲があってもできないという方々はたくさんいるということは、私どもも大変遺憾に思うというか、私どもの政策そのものとか、国の対応、そういうことにも起因をするのかもしれませんが、実態として生活保護を受ける方々が多いということは、やはり鹿児島市にとっても歳出の大きな要因というものになっていますので、先ほど言いましたように、できるだけ生活保護の方々に直接意見や考え、そしてまた生活保護を受けないように対応できる支援員等を増やしながら、生活保護費が抑制されるように対応していきたいと思います。

質疑応答要旨:コミュニティサイクル導入事業とバイオガス施設導入可能性調査事業

記者 環境リーディング都市を目指している鹿児島市として、今回コミュニティサイクル導入検討事業とバイオガス施設導入可能性調査事業を大変注目していますが、コミュニティサイクル導入検討事業について、拠点箇所は何カ所程度で、1カ所当たり何台程度を投入するお考えでしょうか。また社会実験をする時期と実施期間をどのぐらいとお考えでしょうか。

財政部長 基本的には中心市街地で社会実験を行うということになりますが、まだ詳しい箇所数などは決まっていませんので、実施が固まり次第、また発表していくということになります。

記者 業務が委託になる方向だということを伺っていますが、委託する先として自転車のロードマップ等をつくっている鹿児島市民の団体、市民団体等を対象にする予定はないでしょうか。

市長 今、この事業については、財政部長が話をしましたように、その拠点施設についてどこをするかということをまだ明確にはしていません。その団体等についても、これから、いろいろ民間でも取り組んでいる方がいます。観光自転車というような形で取り組んでいるところですので、それらの皆さん方との協力、ご意見等もいただきながら進めていかなければならないと思っています。
この事業も環境の中で取り組むということにしていますが、自転車を活用したまちづくりの一環だと思っています。できるだけ車を使わずに、自転車でいろんな鹿児島の史跡巡りをしていただきたいという思いも含まれていますので、先進都市も何カ所かありますから、それらを調査しながら、どういう形で進めるのかということをこの事業の中で検討していくということです。

記者 次にバイオガスの施設導入ですが、市長がヘルシンキに視察に行かれています.
ヘルシンキは湿式でやっていますが、乾式と湿式がありますが、どういう形で考えていますでしょうか。

市長 このバイオガス施設導入可能性調査ですが、今お話がありましたように、これは湿式と乾式、両方あります。今、日本では、ほとんどが湿式のバイオガスの導入があまり大きくない自治体では実施されています。乾式ということになりますと、いろいろクリアする課題等が多いということですので、鹿児島市としては乾式・湿式両方をどういう形でやれるかということをまず検討していかなければいけないと思います。
私は昨年、ヘルシンキに行ったときも、これは湿式、特に一般廃棄物の中の生ごみを湿式でやっていましたので、それからガスをつくっています。そして、そこから発生するCO2を削減するという絡みでこのバイオガスの施設導入ということで調査させていただきましたが、調査結果を踏まえて、鹿児島市で乾式がいいのか、湿式がいいのか、そしてまた乾式でする場合にはどういうクリアすべき課題があるのかということを今年はしっかりと検討するという形でのこの予算を一応計上しています。調査関係が主です。

記者 湿式と乾式の折衷案のやり方もあると聞いています。

市長 生ごみの中でも湿式で取り扱ったり、乾式で取り扱ったりすると思います。今、技術的には湿式がほとんど主流を占めていて、そして湿式だとある程度、予算規模的にも少なくて済みますが、乾式になると膨大な予算も必要だし、また施設も必要だということを聞いています。ですが、今後技術革新等でそういうものが両方絡めてできるようであれば、やはりそれらのほうが市として一般廃棄物を削減することになりますし、そしてまたそれを有効活用して、ガスに転化して供給できるというメリットもありますので、それらはやはりこの予算の中でどういう形でやっていくかということを検討するということです。

記者 ごみや下水汚泥を使ってどこにプラントをつくるという具体的な場所はありますか。

市長 今私どもは、水道局が公共下水道の下水道汚泥を今肥料としてやっていますが、そういうものをガスに転化できないかということと、あとは一般廃棄物の中の生ごみを湿式でやれないかということです。乾式の場合はやはり生ごみの中に紙類というものを抽出するのに手間がかかったり、それを分別するのにいろいろと予算等がかかるということで、それらも含めてやはり検討していかければならないと思います。

記者 南部処理場など具体的なお話はありますか。

市長 今考えているのは、一番近いところで鹿児島市の下水道だと谷山処理場、また、そのすぐ近くに南部清掃工場がありますので、そういった意味ではリンクができると思いますが、まだ場所的にどこということは決めてないです。可能性としてはそういう形になると思います。

質疑応答要旨:コミュニティサイクル導入事業

記者 先ほどのコミュニティサイクルは基本的には環境と思いますが、中心市街地に複数あるということですから、例えば新幹線で鹿児島に来た方が利用するという観光の面も考えてよろしいですか。

市長 一義的には環境ということで、なるだけ車から自転車へということで考えています。そういう同じ波及効果ではやはり観光の面も、先ほどいろいろと事業される方で観光自転車とかレンタサイクルをされている方々もいますので、やはりその方々との協力を得ながら、そういう観光面での事業にもなってくると思います。そういった意味では、新幹線絡みで言いますと、中央駅の周辺や歩いてこられて中心市街地の各拠点にそういうものを設けられればと思います。

質疑応答要旨:桜島・新燃岳の降灰対策

記者 新燃岳や桜島も活動が活発化して、夏場の降灰が心配されますが、新燃岳からの降灰もあると思います。8億8、000万計上されていますが、降灰対策としては十分なのか、見解をお聞かせください。

市長 毎年、降灰対策については十分な予算ということで、一応8億円ぐらいの予算計上をしています。今のところ、桜島の降灰対策としては、この予算の中で道路降灰、また公共下水道降灰除去、宅地降灰というものを除去する予算として、計上している中で対応できると思っています。昨年は896回という爆発回数でしたが、それでもその予算の中で収まっていますし、また逆に2月補正で減額しました。
しかし、今お話があるように、新燃岳の爆発ができるだけ早く収まってほしいと我々は切望しますが、これはやはり自然のことですので、どうなるかわかりませんが、万が一、新燃岳の降灰が鹿児島(市)のほうに来た場合には、今計上している予算の中で十分対応していきます。もしそういう異常事態が起こりましたら、また補正なり、また予備費なりを使って対応していきたいと思います。
そしてまた、道路降灰を含めて、機材等については、今の桜島降灰除去事業は万全の体制で取り組むべき対応ができると思います。新たに新燃岳の降灰、どういう形でこちらのほうに吹くかわかりませんので、今の現体制で私は十分賄えるのではないかと思います。

質疑応答要旨:扶助費の増大について

記者 先ほど生活保護費を含めた扶助費の話が出ましたが、保護費を含む民生費の割合が40%台ということについての市長の感想をお願いします。

市長 民生費が今回は構成比で40%、そしてまた伸び率でも7.2%と伸びています。一般会計予算の中の4割は民生費を含めている。この中には、やはり福祉、医療、そして保健、少子化対策、高齢者対策というものも含まれていますが、やはり大きな原因として、生活保護費が約22億円、そしてまた子ども手当27億円、それがこの大きな伸びの原因ではないかと思っています。やはり生活保護費が年々増えていくのが一番私は危惧しているところでありますし、これはやはり我々もしっかりと、その現状を踏まえた対応をしていかなければならないと思いますし、対応をしていますが、緊急経済対策、雇用対策というものをしっかりと、より強くしていかなければならないと思っているところでいます。
あと、子ども手当については、これは国の方針、各市においてはさまざまな意見等もありますが、今回は国と地方の協議の場をつくるという条件を国が認めていただいたということと、それと給食費とか保育費の天引きをしてもいいというようなことまで私どもの要望を受け入れてくれました。
一部ではこれを返上するとか、国庫補助金を組まないという自治体もあるやに聞いていますが、市としてはそれを今回組んでいますので、その分が約27億ぐらいあります。合計しますと約50億ぐらいの民生費の中で、その分だけが入っています。子ども手当は別にして、生活保護費がこれだけ伸びるというのは予算計上は増えていきますし、やはり社会状況として大変危惧していますね。

質疑応答要旨:ドクターヘリにかける市長の思い

記者 県のドクターヘリですが、鹿児島市立病院が基地として、基幹病院として運航するということでドクターヘリにかける市長の思いをお聞かせください。

市長 新市立病院、平成27年度に完成する予定で、そこにヘリポートもつくるようにしています。やはり鹿児島市立病院が今担っているのは、一番大きな役割というのが第3次救急が県内で実施主体できるものが今は市立病院ですので、やはりエリアとして市立病院で県内の急患の方々を処置できる重要な役割を担える体制が必要だと思っていますので、やはりドクターヘリは必要です。そういう観点から、新市立病院にもヘリポートをつくるようにしています。
そしてまた県が平成23年度、ドクターヘリを実際に導入するということで、知事が話をされています。その過程で、私どもとのいろんな協議の中で、まずは市立病院が実施主体となってそれを進めてほしいということもお話を受けています。しかしながら、市立病院だけでドクターヘリが動かせるものではありませんので、やはりヘリポートを含め、そしてまた導入するヘリコプターのことについても、やはり県が国の予算を導入しながら、県が実施機関として主体は市立病院ですが、(実施)機関としてやはり鹿児島市とまた十分な協議していく中で、早急にドクターヘリ導入を進めていければと思います。
23年の12月からという話をされましたが、12月という決められた時期までに、精力的に我々も取り組んでいかなければならないと思います。

質疑応答要旨:近代化産業遺産指定

記者 今回、文化財関係、近代化産業遺産の方面が結構予算も割かれているようですし、特別に担当の部局を政策企画課に移すということです。前回「篤姫」、今回新幹線効果で、「篤姫」のときの平成20年以上の入り込み観光客数をねらうということですが、今回新幹線ブームがまた去って、観光客を呼び込むための次のポイントとして近代化産業遺産の指定を考えているのでしょうか。

市長 やはり先ほど来言いますように、鹿児島はやはり歴史も大きな魅力の1つでありますし、またそういう鹿児島に点在する遺跡、資産を活用していくのも、大きな鹿児島の新たな魅力の1つだと思っています。今回の近代化産業遺産群、今、暫定リストに載っていますので、大きなチャンスだと思います。そういうチャンスをやはり生かすべく、そしてまたそれを指定していただくことによって、また鹿児島にも新たな魅力が加わると思っていますので、それを多くの方々に体感していただくために、たくさんの方々が来ていただくという対策にもなるかと思っています。
今回、教育委員会から企画財政局に産業遺産関係の部局を移しました。これは単なる文化遺産を見出すと、継承する、そしてまた発掘するという意味だけではなく、やはりその産業遺産群に絡めた観光、またそこに行き着くまでの交通、そしてまた産業遺産群を保全・保護するためにも環境、また教育とかいろんなあらゆる分野でこの産業遺産群というものが絡んでまいりますので、それらを集約すべく、企画財政局に今回組織編成して、この暫定リストから遺産になるように、そういう意気込みを込めた組織改正も行っています。

質疑応答要旨:本市の雇用対策

記者 雇用の関係ですが、新卒者の就職率が大分低下しますが、鹿児島市として職業訓練や新たな長期的な雇用の場を設けるための施策を今後どうとられていくのでしょうか。

市長 雇用対策については、今、私どもも大きな課題の1つだととらえていまして、短期的には先ほど申しました経済雇用対策で、資料にありますが、この雇用対策で562名、短期雇用、緊急雇用という形で予算計上しました。
また、長期的な雇用対策については、学校を卒業した人たちがなかなか就職できないということにも大変危機感を持っています。
そういった意味で、若年者雇用対策事業等についても予算を組んで、中小企業の経営者、そしてまた商工会議所、経営者協会、そういう団体の方々にぜひ雇用してくださいということをお願いしています。そしてまた、教育委員会では、まだ就職をできない人たちに対しても、指導員等を設けて、対応するようにしています。
やはり有効求人倍率0.5を切っていますので、危機的状況だと思っています。それが閉塞感につながっていくと思っていますので、その関連でいいますと雇用の拡大で、できるだけ多くの企業も鹿児島市に立地をしていただくという対策もしていかなければならないと思っています。
今のところ、ソフト関連事業が立地として来ていますが、できれば雇用拡大につながる製造業の企業誘致につながればありがたいと思います。企業誘致、立地については、まだまだ今後とも努力していかないといけないと思います。

質疑応答要旨:天文館シネマへの助成

記者 天文館シネマへの助成についてですが、一部では運営がなかなか厳しいのではという声も上がる中で、今回4億円ぐらい助成していますが、市長のお考えをお聞かせください。

市長 天文館シネマについては、私どもも中心市街地活性化の大きな核になると思っています。そういった意味では、今回も国の予算等を活用しながら、市もそれに付随して予算を組んだところですが、やはり先程来、話が出ているように、まちの一番大きな顔、南九州の繁華街と我々は位置づけています。
ここが元気がなければ、鹿児島市全体の活力にもつながっていかないと私どもは位置づけていますので、大変この事業化に苦慮されていると聞いていますが、これはやはり官民一体となって、私ども行政、そしてまた経済界、商工会議所を含め、中小企業を統括する団体とも十分協議し、また協力をしながら、中心市街地活性化にもつながる天文館シネマについては、支援をしていければと思いますし、また支援をしていく覚悟です。

記者 天文館シネマに4億円以上の税金を充てて助成しますが、要望や注文したいことはありますか。

市長 これだけの市税を使うわけです。まちの活性化に向けて、今事業として進んでいますので、しっかりと私どもにも説明責任を果たしてほしい。そしてまた国の事業も導入しながら進めていますので、資金計画、事業計画、そしてまたその後の経営計画を私どもにもしっかりと協議してほしいし、そしてその都度、情報も公開してほしいと思います。
この天文館シネマに対する私の思いは、先程来言いますように、やはり中心市街地が今、年々衰退しています。空き店舗も多くなっていますし、そしてまた、にぎわいがだんだんほかの地域に移っています。やはり核になるものの1つがこの天文館シネマだと思っていますので、鹿児島のまちの活性化、にぎわいさを担う大きな役割もこの天文館シネマは持っています。その責任を負うべき立場にあるだろうと思っていますので、そういった意味では、私どもも資金面で、国の補助を活用しながら、その裏負担である一般財源は活用して、今資金、事業の補助的なものはやっていますので、いろんな面で鹿児島市の思いを伝えていければと思います。

記者 根本的な質問で恐縮ですが、映画でまちが活性化するとお考えでしょうか。

市長 私は小さいころ、天文館に行くのは映画を見に行くのが主で、今テレビ、パソコンでいろいろ映画が見られるでしょうが、やはり大画面で迫力を感じながら見るというのも、1つの大きな映画の魅力ではないかと思います。私は、これまで天文館に集中的に映画館があったのが全くなくなったことも1つのまちの衰退の一因ではないかと思っています。ですから、映画館ができたから、それがすぐ活性化に直結するとは思いませんが、やはりそのことがいろんないい要因を生んで、まちに人が集まるという現象につながっていくのではないかと思います。
それともう1つは、こういうことを立ち上げようという皆様方の強い思いが、ひいてはまちの活性化にそういう気持ちが多くの方々に結びついていくのではないかと思っています。やはり、天文館シネマができるという強い思いを持っている方々が、天文館地域を含めた中心市街地活性化についての強い思いをこの事業に託していると思いますので、この事業が完成し、そしてまた継承されていくことで、まちのにぎわいが創出されると思っています。

質疑応答要旨:将来の本市の産業政策

記者 新幹線全線開業で交流だけではなく、競争もだんだん激しくなっていくと思います。こういった時代に将来の鹿児島市を引っ張っていく産業はどういったものがあるのでしょうか。あと、既存の産業で力を入れるべきものは何か聞かせていただけますか。

市長 新幹線が全線開業することによって、やはりそれぞれの都市の魅力の競争は、これはもうおのずと生まれてくると思います。しかしながら、それをただ競争するというだけではなく、これは三都市連携の中でも各市の市長が言われていましたが、それぞれがお互いの立場を理解し、そしてまたお互いに協調することによってお互いの連携をつくりながら、お互いに、勝ち負けではなくて、それぞれが協力して、そしてお互いにいろいろなところで補完し合いながら、まちの活性化につなげていければと思っています。
特に、新幹線絡みで言いますと、産業としては私は入り込み観光客数の増、ついては観光振興だと思っています。そういった意味では、今回の予算の第1項目目に新幹線・大交流元年と位置づけたところです。
もう1つには、鹿児島の基幹産業というのは、やはり第1次産業が主たる大きな産業だと思います。農業、水産業、畜産業、そしてまた森林、そういったものを十分に推進していくことで、鹿児島のまた1つの大きな次代を担った産業が継承していけると思っています。
残念ながら、製造業の大企業というものがありませんので、鹿児島の場合は今後のまちの方向性としては、やはり多くの方々に来ていただくための施策、観光振興とそれに付随して、観光については環境も関連しますし、そしてまた観光で来られた方がそこに住みたいという思いをしていただくためには、それにまた付随して教育・文化も必要になってくると思っています。
もう1つは、先ほど言いましたように農業関連も多くの分野にも関連づけられますが、鹿児島の場合はそういった1次産業が、これまでも脈々と引き継がれていますので、第1次産業を大事にすることによって、鹿児島の魅力の1つであります食の創造にもつながっていくと思います。

質疑応答要旨:基金残高について

記者 基金残高ですが、当初予算ベースで8年ぶりにプラスに転じたことについての感想を教えていただけませんか。

市長 やはり基金については、いくら積んでいいという、規定はありませんが、やはりこれだけ混迷する時代背景の中で、ある程度柔軟に施策を推進していくためにも、必要な財源というものは確保しておかなければならないと思っています。そういった意味でも、財政調整基金、また建設事業基金、市債管理基金の3つの基金を今予算編成の中で取り崩しをしたり、積み立てをしています。
今回は22年度末からの予算と比べますと増えましたが、6~7年前からすると、半分ぐらいになっています。そういう意味でも、基金については、今後の財政需要等がどういう状況があるか、全く予想がつきませんので、そういうための財源確保にも必要ではないかと思っています。
特に、市債管理基金については、これまで起債を借りていたものについて、できるだけ繰上償還ができるものについては、次の世代に負担を残さないという意味で基金にも積んでいますし、繰上償還の可能性があったら、その基金を取り崩して対応していきたい。そういう意味でも、基金については、積めるときには積んでおきたいと思っています。

質疑応答要旨:第五次鹿児島市総合計画に向けた1年について

記者 24年度は第四次総合計画の最終年度と同時に、次期総合計画に向けてどのような1年にしたいでしょうか。

市長 24年度から第五次総合計画が始まります。やはり、市政というものは引き継がれていきますので、やはり第五次総合計画の中でも第四次総合計画を検証しながら、10年間の計画をつくっていかなければならないと思っていますし、そういった意味で、平成23年度が一番大きな変化、鹿児島市の転換の年ではないかと思っています。今回23年度予算等を1つの足がかりにして、第五次総合計画にそのまま引き継いでいければと思っています。第五次総合計画の中でも、今回の予算もある程度念頭に置いた論議もしていかなればならないと思っています。

(記者会見終了)

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