当美術館では、モネやピサロ、ルノアール、セザンヌ、カンディンスキー、ウォーホル、ロダン、アーキペンコなど、19世紀の末葉から現代に至る西洋美術の流れをたどる作品の収集をしています。
油彩・キャンバス、89.0×130.0cm
素描も含めると250点にも及ぶ、1890年代後半から晩年にかけて描かれた「睡蓮」シリーズの一作。本作はその最初期の油彩画であり、日本庭園のあるジヴェルニーのモネ邸で制作された。抽象化の進む晩年の同種の作品よりも写生的で、大胆なタッチながら、花の瑞々しさや水面に反映する微妙な光の変化が見事に捉えられている。
油彩・キャンバス、45.0×53.0cm
1880年代以後、印象派のグループを離れたセザンヌは、明快な色彩と堅固な形態によって対象の存在感を描き出す独自の様式を見出した。本作は、地面以外は全体的に描き込みが少なく未完成と思われるが、大まかな輪郭線で空間の奥行と風景の特徴が表現された構図からは、対象の基本的形態を掴み取ろうとするセザンヌの制作意図が感じられる。
油彩・カルトン、70.0×52.8cm
シェークスピアの戯曲「ハムレット」のヒロイン、オフィーリアの死の場面が描かれている。本作に見られる「横顔の女性像」「目を閉じる」といった要素はルドンの作品の重要なテーマでもある。閉じた目は作品を観る者の意識を自然と内面の世界へと向わせ、豊かな色彩が言葉にしがたい感情や夢幻の世界を代弁しているかのようである。
油彩・キャンバス、142.0×80.0cm
1910年以降に繰り返し描かれた、最愛の妻マルトをモデルにした浴室の裸婦像のうちの一作。日常のさりげない情景を柔らかな暖色が包み込む秀作である。ボナールは、ドニやマイヨールらとともに「ナビ派」の巨匠として知られる。1900年頃の一連の作品は、縦長で平塗りの日本版画の影響を顕著に示し「日本的ナビ」と呼ばれる。
ブロンズ、215.0×76.0×115.0cm
フランス生まれのロダンは近代彫刻の父と称され、六人の群像による「カレーの市民記念像」は代表作の一つである。本像はその中心人物で、今まさに死に臨まんとする老人の姿が表現され、静かな表情に内なる決意が強く伝わってくる。このように、内面考察力に優れた人間像の創出がロダンの本領であった。
最終更新日:2020年4月24日
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