2021年度の取り組み
- 炭窯については、復旧工事の詳細を決定する実施設計を行っています。
- 周辺斜面地は9月中旬から本格的な復旧工事が始まりました。
- また、周辺斜面地では、今年度から採集したどんぐりを育てて植樹し、寺山の森を再生する取り組み「世界遺産寺山の森再生プロジェクト」が始まりました。
周辺斜面地復旧工事
準備工事(8月中旬~9月中旬)
- 崩壊した斜面を安全な勾配に切り直す工事の際の落石事故等を防ぐため、仮設防護柵を設置しました。
仮設防護柵設置状況(2021年9月13日)
復旧工事(9月中旬~)
- 9月中旬から斜面地の復旧工事が始まりました。最初は上部斜面を安全な勾配に切り直す作業を行いました。
上部斜面の切り直し工事状況(2021年9月24日)
- 雨水で土砂が流出しないよう切り直した部分はブルーシートで覆った上で、下部の切り直し作業を行いました。
上部斜面の切り直し工事状況(2021年10月12日)
- 上部斜面の切り直し作業が概ね終わった段階で、下部斜面の工事に入りました。下部斜面は大幅な地形改変ではなく、整地程度の作業を行いました。
下部斜面の整地工事状況(2021年10月14日)
- 下部斜面の整地作業終了後は、土砂の流出防止を図るため丸太による木柵を設けました。木材は、鹿児島県産のものを使用しました。
下部斜面の木柵設置状況(2021年10月25日)
- 下部斜面の木柵設置後は、土砂の流出防止に加え、防草のためシートを張りました。シートは植物由来の材料で作られており、3~5年ほどで土に戻るものです。2025年に植樹する際には、シートごと耕し肥料にする予定です。
下部斜面のシート敷設状況(2021年11月1日)
下部斜面のシート敷設完了状況(2021年11月9日)
- 上部斜面では、2019年度の土砂崩れの原因となった地下浸透水の対策として、打込排水管工事も実施しました。斜面に管を挿入し、降雨時に地下に浸透した水を排出させることを目的としています。
- 確実に排水するため、整形した法面の地層を観察し、透水性の良い堆積層と水を通さない岩塊層の間に排水管を挿入しました。
打込排水管工事状況(2021年11月25日)
打込排水管挿入完了状況(2021年12月1日)
- 上部斜面の法面保護には、連続繊維補強土工(ジオファイバー工)という方法を採用しています。この工法は、整形した斜面に砂質土と連続繊維(ポリエステル)を吹き付けることで法面の強化を図るものです。従来のモルタルやコンクリート法面にはなかった緑豊かな景観や自然環境にやさしい法面を造ることができるとされている工法です。吹き付ける土砂は鹿児島県産のものを使用しています。
連続繊維補強土工(ジオファイバー工)状況(2021年11月25日)
情報発信
ボランティアガイドの皆さんへの現地説明会
- 日時:2021年10月15日10時00分~12時00分
- 場所:寺山炭窯跡
- 参加者数:計8名
- 内容:「鹿児島まち歩き観光ステーション」に在籍するボランティアガイド(寺山炭窯跡・関吉の疎水溝担当)の皆さんを対象に現地説明会を実施しました。寺山炭窯跡の被災の様子や災害復旧の取り組みを知っていただき、県内外の皆様にお伝えいただくことを目的としたものです。
説明会の様子
ふるさと考古歴史館教養講座
- 日時:2021年10月30日13時30分~14時30分
- 場所:鹿児島市立ふるさと考古歴史館
- 参加者数:計13名
- 内容:「寺山の炭窯と森の再生日記」と題して、担当職員が寺山炭窯跡の被災状況や災害復旧の取り組みについて発表しました。
発表の様子
現場見学会「1日限定!寺山炭窯跡災害復旧現場見学会&どんぐり拾い」
- 日時:2021年11月27日10時00分~12時00分
- 場所:寺山炭窯跡周辺
- 参加者数:計27名
- 内容:災害復旧工事が続く寺山炭窯跡について、1日限定の現場見学会を開催しました。今回の見学会では、市担当者から工事の進捗状況に加え、今年から本格的に始動した「世界遺産寺山の森再生プロジェクト」などについて説明しました。また、今回は新たに寺田仁志氏(植物学者)による寺山炭窯跡周辺の植生に関する解説のほか、参加者の皆さんに森の再生に使うドングリを拾っていただきました。
現場見学会の様子
寺田仁志氏による解説の様子
参加者によるどんぐり拾いの様子