美術館の収蔵品をビデオアートで楽しもう!
収蔵品を東京藝大生がリミックス!
美術館の収蔵作品を題材に作成された、東京藝術大学油画科学生によるビデオアート作品をご紹介します。
若いアーティストたちの作品を通して、当館収蔵品を新たな視点でお楽しみください。
ご視聴は、美術館フェイスブック(外部サイトへリンク)の「動画」をクリックしてください。
『皇后娘娘(ふぁんお~にゃんにゃん)』(7分14秒)
【作品解説】
・コロナ禍で今まで以上に"かわいく"生きづらく、ネガティヴになりつつある世の中に、新しい"かわいい"を提唱しています。
・前向きな気持ちを取り戻したいという想いを込めて藝大アイドルを結成しました。
【ポイント】
・橋口五葉の2枚の山水画から中国風アイドルへと広がった驚きの発想をお楽しみに!
・衣装から振り付け、音楽までを全て自分たちで手がけた総合的アイドルの出現です。
【参考作品】(すべて鹿児島市立美術館蔵)
・橋口五葉《山水図》・橋口五葉《雨中山水》
『ハチ公物語』(47秒)
【作品解説】
・東京渋谷駅前の建つ忠犬ハチ公の一生を絵巻物にしました。
・秋田犬のハチ公は、飼主であった上野英三郎氏を東京渋谷駅に毎日迎えに出かけ、氏が亡くなった後も駅前で待ち続けた忠犬です。
・この美談が新聞で報道されると、ハチ公は国民的英雄となり、この美談を後世に伝えるために銅像が作られ、駅前に設置されました。
【ポイント】
・なぜハチ公像の原型が鹿児島にあるのでしょうか。
・現在、渋谷駅前にあるハチ公像は二代目の銅像です。初代は安藤照という鹿児島出身の彫刻家が作りました。
・照は、11年もの歳月をかけて鹿児島市立美術館前の西郷隆盛像を作った人です。戦争が激しくなった昭和19年、金属不足のため初代ハチ公の銅像は溶かされ、物資の材料となりました。
・戦争が終わるとハチ公像再建の声が高まりましたが、制作者の照は戦争で亡くなっていたため、父と同じ彫刻家になっていた息子の士が再制作しました。
・これが二代目ハチ公で、その石膏原型が、父の郷里鹿児島に送られました。
【関連作品】
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安藤士《忠犬ハチ公》
1948年制作(鹿児島市立美術館蔵)
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『地球と繋がる』(3分50秒)
【作品解説】
・鹿児島市立美術館の「桜島コレクション」から、「桜島」とその土地で暮らす人々や画家との関係性、向き合い方にフォーカスして制作しました。
・「エンターテインメント」を主題とし、「桜島を介して地球とつながること」を副題とした本作品では、「本能的な面白さ」を提供しています。
・8人で同じ時間、経験、感情を共有し、「楽しかった」「面白かった」と思える「本能的な面白さ」を追求しました。
【ポイント】
・桜島の平均の年間噴火回数が、こんなにもすごい数だなんて、驚きです。
・作ったものが壊されていくはかなさのような感情とともに、達成感を感じることができます。
・多くの画家が桜島の噴火を大地の鼓動として圧倒され、魅了され続けたように、藝大生にとっての大地の鼓動とは、どんなものでどんな形で表現されるのか見ものです。
【関連作品】
鹿児島市立美術館蔵の「桜島コレクション」
『210アトリエからの制作風景』(2分13秒)
【作品解説】
・グループのメンバー一人ひとりが鹿児島の土地に何かをみつけ、藝大アトリエでの絵画表現に挑戦しました。
・メンバーが制作している場所は、藝大210アトリエです。藝大生は、こんな場所で日々制作に励んでいます。
・制作の息抜きにアトリエの小窓から外に飛び出し、校舎屋上でも制作しました。
・制作の過程で生まれた記録です。
【ポイント】
・東京藝大での学生たちの制作の様子をのぞいてみましょう。
・ドロドロになった雨上がりの屋上を裸足で滑り、できたミステリアスな痕跡も見方を変えれば、面白い作品になるんですね。
【使用作品】ポール・セザンヌ《北フランスの風家》(鹿児島市立美術館蔵)
『これな~んだ』(2分3秒)
【作品解説】
・鹿児島市立美術館収蔵作品からいろいろなシルエットクイズを作りました。
・藝大生として作品をオマージュ(敬意をもって模倣)したものもあります。
【ポイント】
・数千もの収蔵作品の中から厳選された作品は、藝大生にとってどんなところが魅力と感じられ、オマージュされたのでしょうか?
・美術館の中でグルグル回る絵の正体を探してみてね。(展示されていない時期もございます。)
・あなたがシルエットクイズを作るとしたら、どの作品のどこの部分を取り上げますか?
【使用作品】(すべて鹿児島市立美術館蔵)
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海老原喜之助《祭りのあ装束》
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橋口康雄
《イギリスの女(読書)》
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橋口康雄
《鳥の挿絵のあるカード》
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和田英作《赤い燐寸》
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安藤照《裸婦座像》
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伊達孝太郎《裸婦》
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新納忠之介《達磨》
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『噴火の日』(6分18秒)
【作品解説】
・鹿児島のシンボル桜島は、大正3年1月に大噴火をおこし、大きな被害をもたらしました。
・鹿児島出身の洋画家、黒田清輝は、父の病気見舞いのための鹿児島滞在中に大噴火に遭遇しました。
・大爆発を直面した黒田は、噴火後の一連の経過を6点の油彩で克明に描き上げました。
・ビデオ作品では、2台のスマホに映し出された鹿児島と東京の風景が、少しずつ降灰で埋もれていく様子が表現されています。
・日本近代洋画の父と呼ばれ、東京藝術大学の前身である東京美術学校にて教鞭を執っていた黒田が描いた桜島の大噴火を現代に生きる私たちの解釈において映像作品としました。
・噴火という災害もたらしながらも共生してきた鹿児島という都市と、私たちが住む東京の二つの視点から関係を探る映像を制作しました。
【ポイント】
・桜島の大噴火を目撃した黒田清輝は、いまだ燃え盛る危険な島に近づき、どんな思いで6点もの連作を描き上げたのでしょうか?
・当たり前の日常が大きな自然の力で埋もれてしまう怖さ、あなたはこの映像作品を見て何を感じるでしょうか?
・黒田は自分が感じたことを絵で伝えましたが、現代の私たちは映像で緊張感を伝えることがきたでしょうか?
【関連作品】黒田清輝《桜島爆発図》(連作6点)1914年制作(鹿児島市立美術館蔵)
『TRUTH』(8分58秒)
【作品解説】
・思いがけない疫病の流行で世の中が大きく変わり、家の中で生活することが多くなりました。
・外部の情報のほとんどをTVやスマホ等から受け取るようになり、その情報が正確なのか、真実なのか、判断が難しい環境の中で生きなければならなくなりました。
・私たちを置き去りにして、時間だけが移り変わる様子をアニメーションで表現しました。
【ポイント】
・ほとんど家から外に出る機会の無くなった主人公の家に、1枚の絵《鳥羽の日の出》が飾られます。
・主人公は、ときどきその絵を眺めながら、日の出の美しい情景や波打ち際の音など、外で自由に過ごしていた情景を懐かしく思い出します。
・皆さんは、この絵を見て、どんなことをイメージするでしょう?
・この主人公の気持ちを想像してください。
【使用作品】
藤島武二《鳥羽の日の出》(鹿児島市立美術館蔵)
『∞蜜(はちみつ)』(7分30秒)
【作品解説】
・名画はどのような気持ちで描かれたのかを一緒に考えてもらえればと思い、本映像を制作しました。
・皆さんが清涼飲料水のパッケージラベルを作るとしたら、どんな作品を選びますか?
・お客さんに商品を手に取ってもらうためには、ラベルの大きさや色、形など、どんな工夫が必要でしょうか?
・どんな味や香りが伝わってくるか、ビデオCMから商品を「味わって」みましょう。
【ポイント】
・皆さんが清涼飲料水のパッケージラベルを作るとしたら、どんな作品を選びますか?
・お客さんに商品を手に取ってもらうためには、ラベルの大きさや色、形など、どんな工夫が必要でしょうか?
【使用作品】(すべて鹿児島市立美術館蔵)
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橋口五葉《人物(男6人)》
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橋口五葉《田舎女学生》
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橋口五葉《振り返る男》
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橋口五葉《人物(女4人、男1人)》
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橋口五葉《人形と紅葉》
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山口長男《形象(かたち)》
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藤本東一良《桜島四景(噴煙)》
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和田忠志《風景》
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橋口五葉《川辺の風景-反映》
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橋口五葉《慈姑》『ホトトギス』10巻2号裏画画稿
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橋口五葉《初秋》『ホトトギス』9巻10号裏画画稿
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宍野寛《黄昏の華》
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黒田清輝《自画像》
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最終更新日:2021年3月24日