展覧会概要
当館のコレクションを紹介する所蔵品展では、黒田清輝をはじめとする鹿児島ゆかりの作家の作品、そして20世紀を中心とした西洋美術の流れをたどる作品をご覧いただけます。今回のミニ特集では、東京・渋谷駅前の忠犬ハチ公銅像の初代制作者、安藤照が没後80年を迎えることにちなんで、絵画や彫刻に作品化された動物たちを、制作のきっかけとなった物語や作家とのエピソードとともに紹介します。
忠犬ハチ公銅像は、飼い主の没後もその帰りを待ちわび、渋谷駅へ毎日迎えに行った秋田犬・ハチの物語をもとに制作されました。戦時中の金属類回収令によって一度は失われましたが、戦後に照の息子・士(たけし)によって再制作されました。本展では、ハチ公人気を背景に照が制作した小ぶりな像を紹介します。士が再制作した銅像の石膏原型も、1階エントランスでご覧いただけます。
ハチ公像のほかにも、国内外の作家が動物への強い思いを抱いて作品を制作しています。海老原喜之助は、馬に親近感を抱き生涯にわたり描き続けました。イタリアの彫刻家マリノ・マリーニも騎手と馬をテーマとしましたが、これは戦時中に目撃した騎手の落馬シーンに転落の後の再生のイメージを読み取ったからです。スペインの画家サルバドール・ダリは、心理学者ジークムント・フロイトを訪ねた際、戸外の自転車に張り付いていたかたつむりに着想を得て作中に登場させています。フランスの画家ジョルジュ・ブラックは、鳥を知性と感性の間を自由に行き来できる象徴的な存在と考え、たびたび描きました。イギリスの彫刻家ヘンリー・ムーアは、象の頭蓋骨を観察し、その形からインスピレーションを広げて、穴の開いた有機的な形の作品を制作しました。
主な展示作品
安藤照《忠犬ハチ公》
安藤照《日本犬ハチ公像》(寄託)
アルフレッド・シスレー《サン・マメスのロワン河畔の風景》
藤島武二《桜狩(習作)》
《内裏雛と調度品》(3月27日まで展示)
小松甲川《島津義弘公馬上姿》(3月28日から展示)
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最終更新日:2025年2月20日
休館日カレンダー
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