更新日:2020年12月28日
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記者会見の動画は鹿児島市動画チャンネル「動画で見る鹿児島市」をご覧ください。
日時:令和2年12月23日(水曜日)11時10分~11時50分
場所:鹿児島市役所東別館3階災害対策室
市民の皆様、本日、第21代鹿児島市長に就任いたしました下鶴隆央です。
就任にあたり、一言、ご挨拶を申し上げます。
このたび、私は、市民の皆様の信任をいただき、新たに、鹿児島市の市政運営を担うこととなりました。
豊かな歴史と文化、類まれなる自然の恵みに育まれてきた、ふるさと鹿児島市の市長として、今、ここに立つことを、心より光栄に思っておりますとともに、60万市民の生命と暮らしを守る、その職務の重大さと、責任の重さに身の引き締まる思いであります。
本市の発展のため、使命と責任を果たすべく、全身全霊を尽くしてまいりたいと考えております。
現在、本市は、これまで誰も経験したことのない、新しい時代の到来を前にしております。
新型コロナの世界的な感染拡大が依然として収束を見通せず、本市においても市民生活や地域経済に大きな影響を与え続けています。
また、急速に進む人口減少の波は本市にも及んでいます。
本市が将来に向けて持続的に発展していくため、少子化に少しでも歯止めをかけ、いきいきとした高齢社会を実現していくための様々な取り組みを加速させていくことが求められています。
また、国においては、ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、デジタル社会の実現を積極的に推進していく方針であり、このことは、地域の社会経済に大きな変革をもたらすものと考えております。
今、まさに、前人未踏の時代が到来しようとしておりますが、森前市長におかれては、先の12月議会で、これを「時代の大きな転換点」と表現され、またそのような中、「次の時代を担うリーダーとして、若い力と新たな感覚や発想をいかしてほしい」と述べられたと伺っております。
何よりのエールとたいへん嬉しく思いますとともに、森前市長が、4期16年にわたって堅実な行財政運営をつかさどり、少子高齢化社会に対応したさまざまな福祉体制の整備や、観光の振興などを進められ、南九州の中核都市としての都市基盤を作り上げてこられたことに、改めて心よりの敬意を表します。
そして、路面電車観光路線やサッカー等スタジアムなど、進行中の大型プロジェクトの検討をはじめ、これまでの市政の継続すべき部分はしっかりと引き継ぎながら、これからの時代の動きに的確に対応した新しい鹿児島市を作っていかなければならないと、決意を新たにしているところです。
この、新しい鹿児島市の創造に当たり、私は、先般の市長選挙において、市民の皆様とのお約束として、マニフェストに100項目の施策を掲げました。
この中で、やはり、現在の最重要課題は、新型コロナ対策であります。
影響が長期化する中、医療や介護の現場、そして、市民生活や経済活動を維持していくためにさまざまな場所で、多くの市民の方々が、日々、奮闘、努力を重ねてくださっています。
PCR検査・医療体制の充実などにより市民の皆様の生命を守るとともに、地域経済を守るため、国や県の経済対策と連携しながら効果的な取り組みを行ってまいります。
徹底した感染防止対策と社会経済活動の両立に向けて、スピード感を持って、全力で進めてまいります。
また、私のマニフェストにおいては、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えながら、新しい時代の動きに対応していくため、先ほど申し上げた新型コロナ対策に加えて、大きく3つの柱をお示ししております。
まずは、「鹿児島に稼げる仕事をつくる」ということであります。
今後、人口の急速な減少に伴い、内需の急速な減少が予想される中、鹿児島市外、県外、そして外国に対して販路を開拓するとともに、人を呼び込み、「外から稼ぐ」取組が、より一層重要になってまいります。
そこで、観光業を新たな成長のエンジンとして位置づけ、コロナ後を見据えながら、世界中から観光客を集める"国際都市KAGOSHIMA"の実現に向けて取り組むとともに、コロナ後に対応できる新しい産業・仕事の創出やICTの積極的な活用・振興など、鹿児島に「稼げる仕事」をつくってまいります。
次に、「安心して生活できる鹿児島をつくる」ということであります。
保育所等待機児童ゼロの実現に向けて、安心できる子育て環境づくりに取り組むとともに、子どもたちが将来、稼げる力を持って社会で活躍できるよう、「たくましい鹿児島の子」の育成や、人生100年時代を見据えた福祉施策の推進など、全ての人が希望とチャンスを持ち、安心して生活できる鹿児島をつくってまいります。
そして、「人口減少時代に生き残る鹿児島をつくる」ということであります。
SDGsの取組を進めるなど、持続可能なまちづくりに取り組むとともに、現在、そして将来起こりうるさまざまな課題への対応や民間の知見・力の活用など、人口減少時代に生き残る鹿児島をつくっていきます。
さらに、この3つの柱を効果的に連動させ、展開させていく重要なポイントとして、「デジタル」の活用を掲げております。
少子高齢社会において本市が持続的に発展していくため、医療や福祉など、さまざまな分野のサービスへの活用を進めるとともに、教育における人材育成にも取り入れていきたいと考えております。
また、情報通信技術を生かした「稼げる」仕事づくりにも欠かせない戦略だとも考えています。
誰一人取り残さない、持続可能なまちづくりに、デジタルの力を大いに活用していきたいと考えております。
これらの市民の皆様との約束の実現に向けて、早速、令和3年度の当初予算編成に取り組んでおります。
また、本市のまちづくりの基本的な指針となる、次期総合計画の策定にも、早急に取り組んでまいります。
施策に取り組んでいくに当たり、私はしっかりと市民の皆様方と情報の共有を図ってまいりたいと考えております。
これまでも、県議会議員として10年間にわたり、市民・県民の皆様の声を直接お聞きする機会を設けてきました。
市内全域に赴き、人口減少をはじめ、地域の実情を体感して得られた知見は、私にとって大きな糧となっております。
市政の最高責任者としても、引き続き、多くの皆様の声に耳を傾け、丁寧に情報をお届けし、理解と信頼を重ねながら、さまざまな施策を推進していく所存です。
誰もが経験したことのない時代を迎え、さまざまな課題が山積しておりますが、私は、市民の皆様と一緒に、力を合わせれば、この困難を乗り越えていけると信じております。
誰もが希望とチャンスに満ちあふれた"わくわくする"鹿児島市を作るために、そして、その豊かな鹿児島市を、子どもや孫の世代にも受け継いでもらうために、私は積極果敢に挑んでまいります。
市民の皆様におかれては、なにとぞ、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
(記者)マニフェストに掲げられている100項目のことと今後の市長としての取組の意気込みについてお伺いしたいのですが、下鶴市長の100項目のマニフェストを見ると、「女性」という言葉が使われているのが100項目のうち1つだけで、「女」という言葉が出てくるのは市立高校の振興についてのみになります。
男女共同参画の推進についても市の内部の女性職員の登用ということに限られていて、森前市長のマニフェストと比べると女性の雇用だったりに対する支援というのが一見すると後退しているようにも見えるのですが、女性の雇用や、生活の支援、ジェンダー平等に対する考え方を教えていただけないでしょうか。
(市長)私はもとより、これからの新しい鹿児島市をつくるに当たっては、女性、そして、もちろん男女問わずあらゆる市民の皆様のお知恵、そして経験をお借りする必要があると考えております。
具体的には、今ご指摘のありました市の職員の登用もさることながら、これから様々な、例えば先ほど申し上げた次期総合計画の策定に向けて、民間の皆様に委員に入っていただくわけでありますけれども、そういう各種審議会等の委員の登用に関しましても女性の登用ということを大きく意識して取り組んでいきたいと考えておりますし、また、今後、市内各地に赴いて意見交換の場も設けていくかと思いますが、そのあたりの男女のバランスにもしっかりと気を遣いながら、考えながら、広く男女問わず様々な市民の皆様のお声、知見を反映できるように取り組んでいきたいと考えております。
(記者)意見を聞く男女のバランスだけではなくて、例えば、森前市長が掲げられておりました男性の育児参加の推進というところも今回なくなっていたので、そういった性別の役割ですね、家庭の中での分業に対するジェンダー平等、SDGsの1つにも入っていると思うのですが、そういったところに対する取組ももちろん進めていくというような考え方でよろしいでしょうか。
(市長)森前市長の取組の中で継続すべきものはしっかりと引き継いでいくという考えでありますので、そのあたりは引き継いで取り組んでいきたいと思っておりますし、私自身も子育て真っ最中ですので、そういうところを私自身もしっかりやっていきたいと思っています。
(記者)最優先に行いたい課題として新型コロナウイルスを挙げていらっしゃいますけれども、そのほかにも待機児童ですとか、サッカースタジアムとかいろいろ課題があるとおっしゃられていましたけれども、優先順位を3つほど挙げていただきたいのですがよろしいでしょうか。
(市長)まず第1は、新型コロナ対策、特に市民の皆様が安心できる環境づくりをしっかりと進めていくということ、このことに尽きるのではないかと考えております。
そして、今、来年度予算の予算編成も行っておりますので、私がお約束をしたマニフェストに関してどう着手をしていくのか、もしくは予算事項以外のものをどのように実現してくのか、その作業をこれから行っていくところでありますので、まずは当初予算編成でお示しし、また次に次期総計がやってきますので、そこでの位置づけでお示しをしていきたいと考えています。
ただ、今のところ、来年度は非常に厳しい財政状況が予想される中、新型コロナ対策をしっかりとやり、そして、マニフェストでお約束したことの中で着手できるものはしっかりと着手をしていく、そのように考えているところです。
(記者)最優先課題としては新型コロナ対策で、その後の課題というのは予算を編成した上で示していくということですか。
(市長)そうですね、それぞれのプロジェクトの時間軸もありますし、規模感もあるでしょうから、そこは非常に厳しい財政状況が予想されますので、そことのバランスも見ながら判断をしていきたいと考えています。
(記者)先ほどお話の中で市民の皆さんとの対話を大事にしていきたいというお話がありましたけれども、就任されたということで、今後、対話の機会ですとか、いつからやりたいとか、検討されている部分があれば教えていただけますでしょうか。
(市長)それはこれから担当部局と検討していきたいと考えておりますが、まずは予算編成をしっかり行っていくということが最優先でありますので、予算編成を行い、そして議会にお示しをし、その後になるのではないかと考えているところです。
(記者)改めて、市長に就任された心境を教えてください。
(市長)本日、登庁式でお出迎えをいただき、そして、先ほど実際に市長室に入り市長の机に座ったわけですが、60万市民の皆様の生命、暮らし、そして仕事をお預かりする責任の重大さというのを改めて実感しているところであります。
また、今日こうやって登庁しまして、いよいよ市民の皆様のためにしっかりと尽くす、その仕事が始まるという思いを新たにしているところです。
(記者)市政運営の方針について、前任の森さんであれば市民目線というお言葉を多く使われておりましたが、スタンスとしてどのようにいきたいというのがあれば教えてださい。
(市長)市民目線というのを私も継承していきたいと考えております。
私自身、政治家としての歩みを地方議員、県議会議員としてスタートしたわけですが、まさに地方議員は地域を実際にくまなく歩き、直接耳を傾け、そしてそれを施策として提案していく、そういう仕事をやってきたわけでありまして、そこで得た知見、そして、経験を市民目線ということをしっかりと引き継いで、そして、私なりにさらに強化をしていきたいと考えています。
(記者)次に、副市長人事について、今のところお考えになっているところを教えてください。
(市長)今、副市長人事につきましては白紙でありまして、これから様々な方々にご相談しながら具体的な人選も含めて進めていきまして、最終的には議会にお諮りする必要がありますので、そのあたりを皆様にご相談をしながら進めていきたいと考えています。
(記者)お一人いらっしゃらない状態ではありますが、次の議会まではその状態が続くという(ことでしょうか。)
(市長)これは議会同意人事でありますので、今のところは空席である1名の副市長について次の定例会にお示しできるように様々な取組を進めていきたいと考えています。
(記者)最後に、県との連携について意気込みといいますか、お考えを教えてください。
(市長)皆様ご承知のとおり、鹿児島市と県との間には様々な調整が必要な事項がありますけれども、私としましては、県議会議員としての経験も生かしながら、まずはトップ同士でしっかりと塩田知事と意見交換を行いつつ、そしてやはり重要なことは、実務レベル同士でお話が進んでいくことだとか、もしくはそれこそ鹿児島市から選出されている県議の先生方との連携も重要でありますし、トップの連携に加えて、様々なチャンネルでの連携をしっかりと進めていきたいと考えています。
(記者)新型コロナウイルスに関する学校の情報の取扱いについてお尋ねします。
現在、鹿児島市教育委員会は、10代、10歳未満の感染者が保健所から公表された際に、児童生徒かどうか、学校が休校しているのかどうかを含め一切公表していない現状があります。
鹿児島市内の学校でどれぐらい感染の広がりがあるのかつかめていない、そういった現状について市長はどのように思われますか。
それと、今後どのようにしていく考えかお聞かせください。
(市長)現状の取扱いについては、保健所とも相談をしながら現状の取扱いを行っていると聞いております。
今後の取扱いに関しましては、個別具体的な学校の状況を公表することで得られるメリット、利益が何かあるのか。そして、逆に公表することで出てくる不利益、これがどういうことが想定されるのか。それらを洗い出した上で、そしてまた、関係各部局の意見も聞きながら、今後の取扱いを検討してまいりたいと考えております。
(記者)今、鹿児島市内の学校で休校しているのがどれぐらいあるのか、感染しているのが児童なのかどうかというのが見えていない状況についてはどのように思われているのかというのをもう一度お聞きしたいのと、それと情報の在り方について見直していくというような理解でよろしいでしょうか。
(市長)公表に関しましては、公表することで、例えば二次感染の防止になるのかどうか、そこの検討が必要かと思いますし、逆に今度は、例えばどこどこ小学校で今休業になっていますということを出したときに、地域に対する風評がどうなるのか。さらには、その地域の中で実際に感染した子供たちに対して風評がどうなるのか。そういったことも慎重に検討する必要があろうと考えておりますので、もちろん、これは他県、他市がどのような理由で公表を決めているのか、利益、不利益をしっかりと見定めながら今後の取扱いを検討してまいりたいと考えております。
(記者)今の鹿児島市教育委員会の対応についてはどのように思われていますか。
(市長)現状の取扱いにつきましては、今のところは二次感染の防止という点におきましては、例えば、実際に触れている学校の方々は自分のところが休校になっているわけだから分かっているわけですし、さらに気をつけようねということができるわけです。
一方で、私が懸念するのは、具体的な学校名を公表したときに、その地域に対する風評がどうなるのか、そして、その地域の中で、例えばこういう風評が来たから、かかった子に対して風当たりが強くなるのではないか。そういうところも懸念点を洗い出さなければならないので、今のところはこの取扱いでしばらくの間はやらせていただきたい。
その上で、先ほど申し上げましたとおり、利益、不利益をしっかり勘案して、他県、他市で公表しているところが、不利益はこうやって消せるんですよ、利益はこうやって出せるんですよといったところをどう取り扱っているのか、そこのところを検討するいとまをいただきたいと考えております。
(記者)そういった検討というのはどういうふうにその検討は進められていくということでしょうか。
(市長)これは保健的な知見が最優先でありますので、まずは、保健所からの聞き取りを改めて行った上で、そして、当然、学校現場を所管している教育委員会、そちらで素案をつくっていただいて、最終的には私も当然見ることになるだろうと思います。
(記者)現在の状況として、学校名とかそういうことではなくて、休校している学校が市内にあるのかどうかということも含めて一切公表していないような状況なのですが、それについては、今の現状をしばらくの間は維持するというお答えだったという理解でよろしいでしょうか。
(市長)細かい情報の在り方については、私は、本日就任したばかりでありますので、これから担当部局と協議をしながら検討すべきところは検討していきたいと考えています。
(記者)本日もご自身のイメージカラーであります緑のネクタイをお締めになっていますけれども、後ろのボードの緑も昨日の森前市長のときからちょっと変わっているのはお気づきでしょうか。
(市長)ちょっと緑の色合いを変えていただいていますね。
(記者)このように改めてご自身のカラーに一新したというのはどのように思いますか。
(市長)やはり市民の皆様に対しましては、新しい鹿児島市を一緒につくっていこうと、そういう思いでいっぱいであります。
特に今年は、何といっても新型コロナの影響で明け、そして暮れようとしている1年であります。
もうすぐ年が明けて2021年となりますが、2021年、この年が改まるのに合わせて、やはり新しい年、そして新たに希望を持ち、チャンスにあふれた鹿児島市をつくっていきたい。そして、その先頭に立っていきたい、そういう思いです。
(記者)この緑で下鶴市長を考えてほしいとか思いますか。
(市長)新しいわくわくする動きがどんどん出てくるんだと思っていただける市政運営に努めていきたいと考えております。
(記者)ご自身が県議会議員出身ということで、県との向き合いについては、やはりこれまで以上にうまく進めていかれるご自信があられるかどうか、そのあたりをお願いいたします。
(市長)やはりいろいろ前に進めなければならない場面に来るものも出てくるのではないかと思っておりますので、私自身、県議として得た、県がどういう方向を向いていこうとしているのか、そういう知見を取り入れながら、ただ一方で、私は、60万鹿児島市民の皆様、市の行政のトップとして、やはり市民のためになるのかならないのか、そういう観点でも県と協議しなければなりません。
ですので、これまでの知見を生かしながら、しかし、立場は変わって、やはり何といっても鹿児島市民の幸福の実現のために様々な協議を行っていきたいと考えています。
(記者)今後、塩田知事とご挨拶でしたり、会われる予定でしたり、今後何かスケジュールで決まっているものがあれば教えてください。
(市長)まずは就任の挨拶に明日、知事のところにお伺いいたしますので、その場で今後の意見交換の在り方などをお話ができればと思っております。
(記者)新型コロナの対策についてですが、感染症対策と経済の両立というのはなかなか難しい状況になってきていると思います。取材をしていても、なかなか鹿児島市内の飲食店さんがやはり特に厳しい状況かと思います。
ここに対して、どちらも重要かと思うのですが、市長として、どちらに軸足を置いていくのか、あと、飲食店の方々に対してどう支援していくのか、何か現状でお考えがあれば教えてください。
(市長)ご指摘のとおり、特に飲食、そして観光関連産業の痛みというのが大きいと認識しております。その中で、やはり感染対策と経済対策の両立は非常に重要であるわけですけれども、まずは、安心できる感染対策を徹底的に行う、このことがひいては経済対策の基本であると考えております。
安心して経済活動を行える、そういう基盤を徹底した感染対策で行うことで安心して利用できるよねと、そういう環境をつくる。
逆に言えば、ここをつくっておかないと、需要喚起策を打ってもなかなか効かないのではないかなと思っています。
ですので、安心できる感染対策、徹底した感染対策を行っていくということに尽きるかと思います。またあわせて、国の動向を見定めながら、どのタイミングでどういう経済対策を打てば効果が出るのか。そこについては、地域の実情、国・県の経済対策の在り方を見ながら検討していきたいと考えております。
(記者)下鶴市長は、これまでの市長さんと違って市の職員の出身ではないということで、職員の方には不安がある部分があるかと思うのですが、市の職員との関係構築についてはどのように進めたいと思われていますか。
(市長)まずは、今まで私も幾つかの課の方々と引継ぎをしていく中で、何といっても市の職員の方々は非常に優秀であると感じております。
市役所に入ってこられたときには、市民の役に立ちたいと情熱を燃やしてこの市役所の門をたたかれるかと思います。
私の仕事は、その情熱を、そしてこれまで得られた知恵、経験を大いに発揮していただけるそういう環境をつくること、そして何といっても、これから新たな時代を迎えますので、新たなチャレンジができる、そういう環境をつくっていくこと、具体的には、最後は責任を政治家として私が取るんですと、そういうことをお伝えしていこうと思っております。
また、私もこれまで県議として10年間、地方行政、政治の場面で仕事をしてきました。そのときには、やはり議員も1人で仕事をするわけではなくて、私は県議でしたから県庁になりますけれども、県庁の職員の方々といろいろ協力をしながら県民の皆様のために進めてきました。
ですので、私の仕事のスタンスとしては何ら変わることがなく、とにかく、現場の職員の方々、その情熱と知見を大事にしながら、そしてこれからはそのトップになりましたので、その情熱、能力、経験を大いに発揮できる環境づくりに、これは政治家としての仕事として尽くしてまいりたいと考えております。
(記者)若い職員の方の意見を取り入れるということを言われていましたが、具体的にそのためにどういうことをしたいとお考えですか。
(市長)やはりイメージとしては、ざっくばらんに意見交換ができる場があったらいいなと思っていて、なかなかコロナが収まらないと厳しいでしょうけれども、例えばふらっとお昼に一緒に弁当を食べに行ったり、そういうこともちょっとしばらくはコロナで厳しいかもしれませんが、沈静化したらそういう取組もやってみたいと思っています。
(記者)新型コロナの対策について伺わせてください。今、まず感染対策が第一だとおっしゃいました。
とにかく徹底した感染対策ということでしたけれども、まず医療の面、それから検査体制など感染防止というところについては何か具体的な対策というか、頭の中に持っているものはありますか。
(市長)まずは検査体制、そしてさきの医療体制について、現在持っている分量、そこについて改めて把握・精査を進めていきたいと。
つまり、今後第3波が来たときにどれくらいの必要検査量が想定され、その先の病床が予想され、場合によっては病床が足りなくなる場合には、これは県・国とも連携をして、無症状・軽症者向けのホテル等の確保もしなければならないでしょうし、来るべき第3波に備えたときの供給量がどうなのかというところのまずは把握・検証を進めた上で、足りないところについて、もしくは足りないことが懸念される場所については手だてを講じていきたいと考えています。
(記者)今、鹿児島市内、クラスターも相次いでおります。そしてさらに年末年始を控えております。
保健所などの状況を聞いた上で、またいろいろな対策を検討していくということでしたけれども、実際、待ったなしという状況だとは思います。
年末年始に向けて何か例えば、ほかの熊本市などでしたら警戒レベルを独自に定めて上げていたりして、警戒を呼びかけているわけですが、その点については何か、感染防止策の強化を呼びかけるといったようなことはお考えではないでしょうか。
(市長)今、検査体制や病床の話もありましたけれども、その最も基本となることは、やはり何といっても市民の皆様に新たな生活様式を徹底していただいたり、感染防止策を徹底していただくことに尽きるかと思いますので、これは市長として改めて機会を捉えてメッセージを出していったり、また、いろいろなお客様が利用する場所においては、新たな生活様式に準拠した様々な楽しみ方、そういうことを守っていただけるような、それを出せるような場面というのをつくっていきたい、例えば、飲食店等においてもそういうことを徹底していただくようなメッセージを出していきたい。
その上で、そういうところで浸透するためにどういう取組ができるのかということを、これは早急に担当部局と意見交換をしながら進めていきたい。
そしてやはり私が年内に早急に取り組まなければならないと思っていることは、各部署において、第3波が来たときにどういうリスクがあるのか、こういうところの洗い出しをしないといけないと思っているんですね。
こういうリスクがあって、そのためにこちらに行っている分野ではこういう備えをしておく。
これをこれから年末年始に入る前にこれは指示をしたいと考えています。
(記者)どんなリスクがあるか、例えば具体的などんな部分ですか。それは例えば観光客のGo Toの受入れ(などでしょうか。)
(市長)様々な分野があるかと思っておりまして、それは今から担当部局と話をしながら詰めていきたいと思っています。
(記者)先ほどの学校の情報公開とも通じる部分があるのですが、今、鹿児島市の保健所が公開している情報については、すごく限られた情報公開しかされておりません。
それが例えば感染者の接触者というような表現になっている部分もありますが、それがどういう場面で接触したのか、例えば家族の中で接触したとか、職場の中で接触したとか、そういった情報も出ていない状況なんですが、こういう状況ではなかなか、市民の皆さんに感染対策を呼びかけてもすぐには伝わらない、分かりにくい状態になっていると思うんですね。
そういった情報公開の在り方について改めてここでお伺いしたいのですが。
(市長)コロナに関する情報公開の在り方については恐らく2つ考えるべきところがあると思っていて、1つは、公開することでどれだけ感染防止、それが推進できるかというプラスの観点と、やはりマイナスの観点として、何といってもプライバシーの面ですよね、特に感染した方が責められるようなことがあっては絶対にならないと考えております。
ですので、コロナに関する、感染した方に関する情報公開の在り方としては、このプラスの部分、感染防止対策にどれだけ資するのか、逆にプライバシーをどれだけ損ねるのか、ここを見ながらやっていく必要があろうかと思っています。
その中で、今後検討しなければならないのが、情報の出し方も2種類あって、1つは個別の情報を出すやり方と、そして少し時間を置いた上で統計情報として出す、そういう2つの在り方があろうかと思いますので、それぞれについて先ほど申し上げたメリット・デメリットを慎重に勘案させていただいて、検討をさせていただきたいと考えております。
(記者)感染防止を呼びかける上で、家族内感染、例えば飲食の中での感染というようなことが中央のほうでは言われております。そういったことも出さないという姿勢についてはどのように思われますか。
(市長)そこについても、今申し上げましたメリット・デメリットがどうなるのかということを、今日先ほど就任したばかりでありますので、担当部局とも聞き取りを行いながら判断・検討していきたいと考えております。
(記者)選挙戦を振り返って、いろんな市民の声が聞こえてきたかと思うのですが、先ほど、森市政は堅実な行財政運営をされてきたという評価だったと思うのですが、選挙戦で地域を回る中で、こういう部分がちょっと足りないのかなとか感じたりしたこと、あとまたそれを受けて自分はどういうふうに取り組んでいきたいと思われますか。
(市長)一番に申し上げるとするならば、よく政治選挙の世界では、若者は関心がない、投票率が低いということが言われます。
しかし、私は回ってみて、そうではないんだと、むしろこれまで若いほうに向いてこなかったんじゃないか、そういう思いを新たにしたところなんです。
実際に演説をしながら、子育てをしている公園などを回りますと、ものすごく聞いてくれる。恐らくこれは今までの選挙、政治の常識に反することではないかとは思いますけれども、やはりちゃんと向き合っていけばちゃんと聞いてくれるんだと、そしてやはり求めていることは多いんだと、これは特に子育て支援施策、待機児童の解消をはじめとして、そこのところは一番印象に残っているところです。
また、中には、コロナと人口減少、時代の転換点にあって、やはり改革できるのは、新しい発想を持っている若い君だと言ってくださる方もいましたし、そういったいろいろな期待に応えていきたいと思っています。
(記者)市民の声がなかなか届きにくくなっているような感じなのでしょうか。
(市長)市民の声全般というわけではなくて、やはり若い方々からするとどうしても政治とつながる場、行政とつながる場が見つけにくいよねということだと思うんですね。
そこは県議時代、各地域を回らせていただいて、実際に報告会もやってきましたけれども、改めて、各地域、そして若い方々向けに直接意見が言える、そしてこちらが聞ける、そういう場もつくるということは意識をしてやっていきたいなと思っています。
(記者)前市政で、ふれあいトークというのがありましたけれども、下鶴市長のほうで何か考えはありますでしょうか。
(市長)その場のまず回数自体を拡充していきたいと思っていまして、私はマニフェストのほうでも、校区単位で行いますと掲げさせていただいておりますので、回数も拡充されるでありましょうし、また、今ご質問いただいた若い人向けのということも1つの考えでしょうし、そこは特にこれまで行政、政治に声を届けることができなかった方々、その方々の声に耳を傾けるということを大きく意識しながら、今後の具体的な取組方針については考えていきたいと考えています。
(記者)来年度の予算編成に関して、先ほど、厳しい財政運営になるかという話でしたけれども、まずはコロナ対策、その上でいろんな時間軸とか考えながら事業を編成していくということなんですけれども、その予算編成の進め方をまた改めてお聞かせください。
(市長)非常に厳しい財政運営が予想されるわけであります。コロナで地域経済が痛んでおりますので、来年の税収減が見込まれるわけであります。
一方で、何といってもコロナ対策、特に感染対策と経済対策の両立を図っていかなければならない。そこにおいては当然に何らかの経済対策も出動させなければならない。
そこで、まずは既存事業の峻別・見直しを図っていく、より少ない予算でより大きな効果が出せるように、そういう見直しを図っていくことであったり、また、中にはどうしても再来年度以降に先送りせざるを得ない部分も出てこようかと思いますけれども、まずはしっかりとこの厳しい財政運営の中でもコロナ対策をやり遂げるということが、将来の鹿児島の地域経済の発展力につながっていくと思いますし、ひいては再来年度以降、着実に事業を推進していける、財源が確保できるということにつながっていくかと思いますので、まずはコロナ対策に注力、その中で財源捻出のために事業の峻別・見直しをしっかり行っていきたいと考えています。
(市長)それでは、市政記者の皆様にも一言ご挨拶を申し上げます。
これから、皆様方のご協力をいただきながら、市長としての責務を果たしてまいります。
また、今後、市長定例記者会見など様々な機会を通じて市政情報を発信してまいりますので、引き続き、鹿児島市政に対しまして、各面から温かいご協力を賜りますようお願い申し上げます。
そして何といっても、鹿児島市、様々な情報を発信しておりますけれども、この情報は市民の皆様のお手元に届いて初めて皆様のお役に立つものです。
その市民の皆様のお手元にお届けする、そのためには何といっても市政記者の皆様をはじめとするマスコミの皆様のご協力が不可欠であります。
その点におきましてもぜひともご協力をいただきますようお願い申し上げます。
また、年の暮れを迎え、慌ただしいこの時期、市民の皆様方には安全に健やかにお過ごしいただきたいと願っております。
とりわけ、新型コロナウイルス感染症の予防対策につきましては格段のご理解とご協力をお願いいたしまして、私のご挨拶といたします。
本日は、本当にありがとうございます。
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