展覧会について
古代ギリシャやローマでは、「火」「空気」「土」とならんで世界を構成するものの一つと考えられていた水は、わたしたちが生きていくうえで欠かせないものです。これまで世界中の芸術家によって、さまざまな主題の中で川や海、雨などの情景として表現されてきました。水が見せる表情は、地勢や時間、天候によって、ゆるやかな流れやしぶきをあげる激しい流れ、淀み、凪、さざ波、荒波、うずまく波と実に変容きわまりありません。それは多くの芸術家の創作意欲を刺激し、風景画や歴史画、豊かな装飾性による意匠の中に、優れた技巧や多彩な表現としてみることができます。
本展では、当館が所蔵する水と結びつきのある作品群の中から、水の表面を意味する「みなも」に焦点を当て、3つのテーマでご紹介します。第1章「生活をめぐる」では、釣りを楽しむ渓流や湯あみ、都市を流れる河川など人々の生活と関わりのある「みなも」をめぐります。第2章「水景をめぐる」では、今はもう存在しないかもしれない、かつて作家が訪れ心惹かれ描いた国内外の風景を、時空を超えてめぐります。第3章「様式・意匠をめぐる」では、様式化された日本的な水の表現や定まった形を持たない水というモティーフにさまざまな輪郭を与え、デザイン化された意匠をめぐります。
会場内のいろいろな「みなも」をめぐりながら、水の表現に投影された心情や美しさ、表現技巧など、幅広い視点で鑑賞をお楽しみいただけると幸いです。
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(1)和田英作《赤い燐寸》1914年 油彩
(2)橋口五葉《温泉宿の女(下絵)》1920年 墨、水彩
(3)作者不詳《白薩摩宋胡録写水甕》17C後半 陶器
(4)木村探元《雪景山水図》1748年 紙本墨画
チラシ
ギャラリートーク(担当学芸員による対話型鑑賞)
(注)申込み不要ですが、先着10名様までとさせていただきます。ご参加には観覧料が必要です。
同時開催
観覧料共通
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最終更新日:2023年5月29日
休館日カレンダー
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