※郷土ゆかりの作品や印象派以降の西洋美術に加え、ミニ特集では、所蔵品を通して版画表現の基礎を紹介します。
展覧会概要
洋の東西を問わず、版画は宗教画や経典を広く普及させるために誕生したと言われています。紙の発明と印章の文化を持つ中国は印刷が最も早く7世紀から始められ、日本では8世紀の経典「百万塔陀羅尼(だらに)」に端を発します。西洋は意外と遅く、15世紀初頭の木版画(凸版)から始まり、同じく15世紀に銅版画(凹版)が発達、石版画(平版)は18世紀末に誕生します。一点ものの油彩画に比べて、巨匠の作品でも複数制作できる普及版として版画は人気を博しました。しかし、19世紀に広まった写真によって、絵画全般は再現技術の座を奪われ、なかでも複数制作という利点を持っていた版画は大きな痛手を受けます。それでも、木版画の温かみ、銅版画のシャープさ、石版画の自由さなど、版画ならではの独特の魅力が見直されていきます。さらに、作家のサインを入れ、エディションと呼ばれる印刷枚数を限定することによって、美術品としての希少性を高め、版画は新たなジャンルとしての地位を確立しました。
今回のミニ特集では、それぞれの版画技法の特徴を比較しながら、その多彩な味わいをお楽しみください。
主な展示作品
アンリ・マチス 『ジャズ』より《コドマ兄弟》
ワシリー・カンディンスキー 《小さな世界Ⅶ》
マリー・ローランサン《マンドリンのレッスン》
木村探元《松に麒麟の図》
藤本能道《色絵枯葉小禽図四角筥》
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最終更新日:2022年10月7日
休館日カレンダー
常設展観覧料など
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※毎月第3日曜日は小・中学生常設展示観覧料無料