ミケランジェロの《最後の審判》、レンブラントの《夜警》など、複数の人物が配された群像の絵画は、壮大な傑作がいくつも描かれています。日本近代洋画を見ても、いわゆる「構想画」は複数の人物のコンポジションによって或る理念を表すという絵画形式であり、黒田清輝の《昔語り》はその代表的なものです。
今回のミニ特集では、所蔵品の中から、群像を描いた絵画作品を集めています。これらの作品は、それぞれのテーマを強調するために群像の様式を用いている作品、また画面構成上、人体の反復をひとつの造形要素として用いている作品に大別できます。
さて、コロナ禍で我々の生活様式は一変し、つねに人と距離を取ることが求められています。それが日常となった今、われわれは「手は消毒しているのか、マスクは着けているのか」などと不安になり、人々の密接な様子を目の当たりにすると、違和感を覚えざるをえなくなっています。このような状況では、群像画の見え方も違ってしまっていることでしょう。現在の視点で、これらの作品を見つめ直してみましょう。
■会期
2021年3月9日(火曜日)~ 5月30日(日曜日)
■会場
2階常設展示室
橋口五葉《人物(男6人)》1905年頃
吉井淳二《女達》1962年
床次正精《西郷肖像》明治中頃
藤田嗣治《座る女性と猫》1923年
狩野芳崖《群老雅遊の図》制作年不詳
最終更新日:2021年3月9日
休館日カレンダー
常設展観覧料など
※特別企画展はその都度定める料金
※2F展示ギャラリー・アートライブラリーのご利用は無料
※毎月第3日曜日は小・中学生常設展示観覧料無料