更新日:2024年8月21日
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旬のお魚情報、レシピ、イベント情報等は“いお・かごしま”魚食普及拡大推進協議会(外部サイトへリンク)のホームページでもご覧いただけます。
今週は、京料理などには欠かせない高級食材として扱われ、初夏と晩秋に旬を迎える「ハモ」を紹介します。
諸説ありますが、水揚げされたあとも激しく動きまわり噛みついてくるさまから、「はむ(咬む)」となったようです。昔は産地から海のない京都まで、生きたまま輸送可能だったことから、とても生命力の強い魚として知られています。
小骨の多い魚で、調理の際には「骨切り」が必要になりますが、店頭ではすでに骨切りされた切り身でも売られています。選ぶ際は、身が白くて透明感のあるものを選ぶと良いでしょう。
疲労回復に効果のあるビタミンB1やミネラルがバランスよく含まれ、骨ごと食べられるためカルシウムも豊富に摂れます。
天ぷらや蒲焼き、椀物など多彩な料理法がありますが、この時季はさっぱりとした湯引きがおすすめです。さっと湯通しし、氷水で締めて、からし酢味噌や梅肉につけて食べると、その姿形からは想像できないくらいさっぱりとした味わいや濃厚な旨みが堪能できます。
今しばらく続く暑い夏を、栄養豊富な「ハモ」を食べて乗り切りましょう。
(令和6年8月21日の南日本新聞に掲載)
今週は、遊泳中は銀色の魚体を青や緑に輝かせ、釣り上げると黄金色に体の色を変化させる「シイラ」を紹介します。日本近海、特に温帯海域で多く見られ、成魚は最大で体長2メートル、体重40キログラム近くにもなります。
夏から秋にかけて旬を迎え、脂がのった身は旨味を増し、さつま黒潮市場(鹿児島市魚類市場)にも数多く入荷しています。
筋肉質で脂質が少ない身は、良質なたんぱく質や、骨粗鬆症の予防に役立つビタミンDを多く含み、健康をサポートしてくれる栄養素が豊富です。、
切り身はフライやムニエル、照り焼きなど多くの料理で楽しむことができますが、加熱し過ぎるとパサつきやすいので、薄力粉を塗すとふっくらジューシーに仕上がります。
バターやオリーブオイルなど多めの油で調理するとよいでしょう。
立秋が過ぎ、まだまだ残暑は続きますが、栄養豊富で脂ののった、旬の「シイラ」を味わってみてはいかがでしょうか。
(令和6年8月14日の南日本新聞に掲載)
今夏真っ盛りの今の時期、海や山、またご家庭でのバーベキューで欠かせない食材の一つ「クルマエビ」を紹介します。
諸説あるようですが、茶褐色のしま模様が、体を丸く曲げると車輪のように見えることが名前の由来のようです。
鹿児島県が養殖生産量で全国トップクラスを誇り、「さつま黒潮市場」(鹿児島市魚類市場)でも、1年を通して、取り扱われます。
店頭で選ぶ際は、透明感があり、しま模様が鮮明なものを選ぶと良いでしょう。
調理法は多彩で、特にお子さんが喜ぶエビフライや天ぷらも絶品ですが、今回は、加熱するとより甘みが増し、また簡単に調理できる塩焼きをおすすめします。
頭と身の節の隙間に竹串を差し込み、引っ張りだす要領で背わたを取り除き、尾っぽから頭に向けて串を打ち込み、適量の塩をふりオーブンなどで焼くと、磯の香ばしい香りが楽しめます。食べると濃厚な味わい、殻のパリパリ感も楽しめます。
多彩な調理法で、磯の風味を楽しめるクルマエビ、ぜひご堪能ください。
(令和6年8月7日の南日本新聞に掲載)
鹿児島が養殖生産量日本一を誇る「カンパチ」を紹介します。
体色は淡い黄色と銀白色で、正面から見ると目と目の間に名前の由来になる漢字の「八」の字模様があるのが特徴です。
鹿児島近海では天然物も水揚げされますが、黒潮の影響で冬でも水温の高い錦江湾では養殖が盛んで、鹿児島ブランドのカンパチは全国で高い評価を受けています。
栄養面ではドコサヘキサエン酸が多く含まれており、記憶力の向上、動脈硬化の予防等に効果があります。
切り身を選ぶ際は、透明感があり、血合いの色が淡いピンク色のものにするとよいでしょう。
料理法は、塩焼きや煮付け、揚げ物など多彩ですが、新鮮なものは生でいただく刺し身がおすすめ。バリエーションを加えたい場合はカルパッチョも手軽で簡単です。オリーブオイルにレモン汁を加え、塩コショウで味を調えます。玉ねぎや色どり野菜があれば、栄養面がより充実し、食卓が華やかになります。
生産量日本一の恵みを感じられる鹿児島でカンパチを味わい、暑い夏を乗り越えましょう。
(令和6年7月31日の南日本新聞に掲載)
今週は、夏の“土用の丑(うし)の日”には欠かせない「ウナギ」を紹介します。今年の「土用の丑の日」は本日と8月5日です。
この日にウナギを食べる習慣は、江戸時代末期の医者“平賀源内“が、商売がうまくいかないうなぎ屋に、夏に売れないうなぎを売るために相談され、「本日丑の日」という張り紙を勧めたところ、大繁盛したことがきっかけと言われています。
本県は養殖生産量が日本一となっており、国内の約40%の生産量を占めています。タンパク質やビタミン、ミネラルなど多くの栄養素がバランスよく豊富に含まれており、夏バテ防止にぴったりのスタミナ食材です。
甘辛いタレと香ばしい香りが食欲をそそるかば焼き、ワサビしょう油や塩、ポン酢につけて、ふっくらととろけるような食感が味わえる白焼きなど、食欲の落ちるこの時季にはぴったりの食材です。
養殖生産量日本一を誇るかごしまの栄養豊富なおいしいウナギをたくさん食べて、これからの暑い夏を元気に乗り切りましょう。
(令和6年7月24日の南日本新聞に掲載)
今週は、初夏から秋にかけて旬を迎える「アオダイ」を紹介します。
鹿児島では「ホタ」、沖縄では「シチューマチ」と呼ばれて親しまれています。水深100m付近の岩礁に生息し、種子・屋久地方、奄美大島近海で一本釣りや延縄(はえなわ)で漁が行われています。
栄養面では、脂質にDHAやEPA等が含まれており、血液サラサラ効果があると言われています。それに加えてビタミンEも含まれており、高血圧や動脈硬化予防の効果も期待できます。
選ぶ際は、目が澄んでいて黒目がしっかりしているもの、えらが鮮やかで、全体的にふっくら感があるものがおすすめです。
透明感がある白身はクセがなく、もちもちとした食感を味わうことができます。また火を通しても身が硬く縮まることがないので、アラなどから旨味のある出汁がとれ、汁物や鍋料理、煮付けに最適です。
暑い日がまだまだ続きますが、アオダイを食べて厳しい暑さを乗り切りましょう。
(令和6年7月17日の南日本新聞に掲載)
今週は、鹿児島県が全国でトップクラスの漁獲高を誇る「トビウオ」を紹介します。
漢字で「飛魚」、英語では「Flyingfish」と書くように、翼のように胸ビレを広げ、海面を飛ぶことのできる魚で、外敵に襲われそうになった時など100メートルを超える距離を飛ぶことができるそうです。
栄養面では、活性酸素を抑え、体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きのあるビタミンEを豊富に含み、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に良いとされています。
お買い求めの際は、背が青く鮮やかで、目が真っ黒で腹が銀色に光っているものが良いでしょう。
高タンパク・低脂肪の身は透明で美しく淡白な味で、新鮮なものは、刺し身にして酢味噌で食べてみてください。すり身は、そのまま油で揚げてさつま揚げにしてみるのもおすすめです。また、塩焼きや照り焼きにしてもおいしいです。
梅雨が明ければ夏本番となり、今年も猛暑が予想されていますが、トビウオを食べて夏の暑さが吹っ飛びますように。
(令和6年7月10日の南日本新聞に掲載)
今週は、夏から秋口にかけて旬を迎えるシマアジを紹介します。
アジ科の中でも大変味がよく、「アジの王様」と言われます。体高が高く紡錘形で、頭から尾にかけて黄色い縦縞が入っており、諸説ありますが、これが名前の由来となったともいわれます。
栄養価が高く、カルシウムの吸収を促すビタミンD、脳細胞の活性化や動脈硬化を防ぐ働きのあるDHA(ドコサヘキサエン酸)、中性脂肪の低下や高血圧予防の作用があるEPA(エイコサペンタエン酸)などが豊富に含まれます。
選ぶ際は、目が澄んでいて体に張りや艶があるもの、黄色い縦縞が鮮明なものがよいでしょう。
調理法は、加熱しても身が硬くなりにくいので、焼き物や揚げ物、煮物などでおいしくいただけますが、おすすめはやはりお刺し身です。
淡いピンク色の身は、深みとこくのある上品な味わいで、適度な脂と旨みが口いっ
ぱいに広がり、非常に美味です。
旬のシマアジを使ったこの時季の絶品をぜひご賞味ください。
(令和6年7月3日の南日本新聞に掲載)
暖かい海域に生息する小型のキハダマグロを、西日本では「シビ」と呼んでいます。種子島・屋久島や奄美近海で多く漁獲され、春から秋にかけて鹿児島市魚類市場にも多く入荷されます。
店頭では刺し身用の切り身や「さく」として売られているものが多く、他のマグロ類と比べると薄いピンク色をしているのが特徴です。
脂肪分が少なく、さっぱりとした上品な味わいから生で食べることが多いですが、食欲が落ちる梅雨の時期は鉄火丼やカルパッチョがおすすめです。
鉄火丼は、甘口醤油におろし生姜を加え、切り身を5分ほど漬けるだけ。ご飯にのせ薬味を添えるだけで簡単にできます。
オリーブオイルにレモン汁と塩コショウで味付けした調味料を刺し身にかけて食べるカルパッチョも手軽な料理です。
また、刻んだ大葉や茗荷などの香味野菜と一緒に食べると、食欲も増し夏バテ防止にも繋がります。
夏至が過ぎこれから暑さが厳しくなる時期ですが、旬の「シビ」を食べ、体調には留意しましょう。
(令和6年6月26日の南日本新聞に掲載)
今週は、産卵前に栄養を蓄え、春から初夏に旬を迎えるサザエを紹介します。
外洋に面した荒海で生息するものは、海流に流されないために幾つも突起が殻にあります。内湾など波の静かな場所で育ったものは、突起の無いものもあり、諸説ありますが、「丸腰サザエ」と呼ばれています。
さつま黒潮市場(鹿児島市魚類市場)にも、旬のサザエが長﨑県等から入荷しています。
鮮魚店などで手に触れて選べる場合、こぶし大の大きさで、触るとさっとふたを閉じるもの、重みがあり振っても音がしないものを選ぶとよいでしょう。
肝機能の強化やコレステロール値・血圧を下げる効果のあるタウリンを多く含み、またビタミンB1・B2、鉄も多く含んでおり、栄養価も高いです。
刺し身やつぼ焼きのほか、下処理して薄くスライスし、醤油やみりんを加えて炊きあげた炊き込みご飯も磯の香りがして絶品です。
まだまだ梅雨が続きますが、開けるといよいよ海や山など屋外での食事が楽しい時期になります。磯の香り、多彩な調理法で楽しめるサザエをぜひご堪能ください。
(令和6年6月19日の南日本新聞に掲載)
6月に入り、県内のほとんどの河川でアユ漁が解禁となりました。古くは「古事記」や「日本書紀」に記述が見られるなど、日本人にとってなじみの深い魚です。
川でふ化した後、海へ下り、春に成長しながら川を上ります。川底の岩に付着した珪藻などを食べるため、天然のものは独特の爽やかな香りがすることから「香魚」とも呼ばれています。
栄養面では、タンパク質・ビタミンEの含有量が高く、その他にもドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)も豊富に含み、カルシウムはイワシの3倍とも言われています。
身にたるみがなく引き締まっていて、つやと透明感があるものを選びましょう。
おすすめの食べ方は定番の塩焼きです。塩を振り、強火で煙でいぶすようにじっくりと焼き上げてください。柔らかい身の食感と、焼きあがった時の香ばしさは絶品です。骨と皮も柔らかいので一尾丸ごとかぶりついて食べるのも醍醐味の一つです。
初夏を代表する味覚「アユ」を食べて、夏の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。
(令和6年6月12日の南日本新聞に掲載)
今週は、スマートな美しい姿と淡白で繊細な身の味わいから、“海のアユ”とも言われる、魚へんに喜ぶ(鱚)と書く「キス」を紹介します。北海道南部以南から九州の、日本各地沿岸の水深20mまでのきれいな砂底付近に生息しており、砂浜などから投げ釣りで楽しんだ人も多いのではないでしょうか。
タンパク質を多く含み、脂質が少ない白身魚で、ダイエットや健康づくりに役立ちます。さらにビタミンD・ビタミンB12・ナイアシンをたっぷり含む栄養価の高い魚です。
店頭で選ぶ際は、目が澄んでいるもの、身や腹に締まりがあり、ふっくらとしているものがオススメです。
調理法は、塩焼きや唐揚げなど多彩ですが、やはり天ぷらがオススメです。淡白で上品な白身の、ふっくらした食感を活かすため、衣を薄く仕上げるのがポイントです。。天つゆで食べてもおいしいですが、少量の塩やレモン汁でさっぱり食べても絶品です。
晩春から夏に旬を迎えるキスをぜひ、ご堪能ください。
(令和6年6月5日の南日本新聞に掲載)
今週は、銀色に光る細長い体と鋭い歯が特徴的な「タチウオ」を紹介します。
漢字では「太刀魚」と書きますが、その姿が「太刀」に似ていることや、「立ち」泳ぎをすることから名付けられたという説があります。
スリムな体型からは想像できないほど脂質が多い魚で、柔らかい肉質をしています。脂質の多くは、オレイン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)など良質な脂肪酸で占められており、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。
店頭で切り身を選ぶ際は、体表の銀色が鮮やかで、切り口の肉質が透き通ってピンクがかった厚いものを選びましょう。
塩焼きや煮つけ、ムニエルなど料理法は多彩ですが、おすすめは刺し身です。クセのない味と脂のりのよさが絶品です。身と皮の間にも旨味が詰まっており、鮮やかな見た目と淡白な味わいを同時に楽しめます。
梅雨に入るこの季節、爽やかな味わいをご家庭でご賞味してはいかがですか。
(令和6年5月29日の南日本新聞に掲載)
今週は、イワシやサバといった青魚の代表格で“味”が良いことからその名がついたとされる「マアジ」を紹介します。
ここ、さつま黒潮市場(鹿児島市魚類市場)に1年を通じて水揚げされますが、旬で迎えるこれからの時期は、特に脂がのっています。選ぶ際は、目が黒く澄んでいて全体に丸みを帯びてふっくらとした形で、お腹に張りがあるものを選ぶと良いでしょう。
また、DHA(ドコサヘキサエン酸)やコレステロールを下げるEPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含みます。
適当なサイズの切り身を、酒、塩などで味を整え、あとは焼くだけで手軽で簡単な塩焼きがおすすめです。
また、刺し身や干物、南蛮漬けはもちろんですが、揚げたての衣のサクサクした触感、ふっくらとしたジューシーな身、タルタルソースやレモンを添えて、言葉にできないほどの美味しさの「フライ」も絶品です。
これから、梅雨の時季にはいりますが、旬の魚を味わってみてはどうでしょう。
(令和6年5月22日の南日本新聞に掲載)
これから産卵期を迎える梅雨シーズンに最も脂が乗ってひときわおいしくなるイサキは、鹿児島では「イッサキ」と呼ばれ親しまれております。
栄養価は、DHAやEPAの必須脂肪酸やビタミン類を多く含み、生活習慣病の予防や細胞の酸化を防ぎ、老化防止の効果が期待できます。
選ぶ際は、身が厚く、ずんぐりしていて程よく弾力があり、皮や目がつやつやしているものが良いでしょう。
刺し身や塩焼き、から揚げ、ムニエルなど料理方法は多彩ですが、今回は煮付けをおすすめします。しょうゆ、砂糖、みりん、酒、水、生姜を入れた鍋にイサキの切り身を入れ、落し蓋をして甘辛くじっくりと煮込んでいきます。
柔らかい身を頬張ると、甘辛いふっくらとした上品な味わいが楽しめ、ごはんのお供にぴったりの一品です。
旬のイサキを使ったこの時季だけの絶品をぜひご賞味ください。
(令和6年5月15日の南日本新聞に掲載)
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